さて、こちらが全く求めていない「1週間に合計で15時間しか来られない和田さん」を採用したは良いが(いや、良くないんだけど)、初めてやってもらった簡単な仕事は通常の5倍の時間をかけた揚げ句にミスをするという、とんでもない出来であった。しかも彼女は翌日休みなため、その事実を本人に伝える事も出来ない。これは非常にやりにくい。
なぜ自分でハードル上げる?
その時であった。社長から弊社へ電話がかかってきた。電話を取るワイ。やはり不安があるのか、社長は和田さんの様子を聞きにワイへ電話を寄越したのだった。
シャチョ「あの・・・和田さんどう?経験者だから仕事出来るでしょ?」
ワイ「・・・あの・・・正直言って良いですか?」
シャチョ「どうぞ」
ワイ「初めてこのような仕事をする新人さんと変わらないです」
シャチョ「・・・あれ?何かあった?」
ワイ「まず、不良の種類の区別がついていないのと、通常の5倍の時間かけて製品見てもらいましたが、私が再検査した結果重大な見逃しがありました。まだ来たばかりですので何とも言えない部分もありますが・・・」
シャチョ「あれ、おっかしいな。出来るって感じだったのに・・・。とにかく、明日そっち行くわ」
そう言って電話は切れた。そもそも「出来るって感じだった」って何?はっきり書くと、和田さんはこんなクソ田舎で週に3日の、しかも1日たった5時間のパートの仕事がなかなか見つからない事を理解している。だからこそ、家の近くの弊社の求人が目についたときに何としても弊社に入る必要性があった。だから「週3しか来れないが経験者なので役に立てる」風を装って面接で自己申告したに過ぎない。
そもそも元社員のQ、町田、パートタイマーのBなどを見れば分かるが「経験者です」という自己申告は全くと言って良いほど当てにならない。面接なんて所詮自分をいかに良く見せるかという騙し合いの場なんだし、ましてや弊社のようにザル面接ではそのウソが見抜けるはずもない。ワイは前記事で和田さんが昼休みに「ここに入れてラッキー」と言った時点で嫌な予感がしたと書いたが、それはなぜかというと本当に仕事が出来る人間なら安易にそういうセリフを、ましてや初日に吐かないからである。
翌日、社長が朝一で弊社に来た。どんな見逃しがあったのかを社長に見せるワイ。その製品を見て社長は「・・・う~ん、これ結構酷い不良だねぇ。初心者でもすぐ分かるような不良だねぇ。そんだけ時間かけたんなら、本来ならば絶対に見逃さないはずなんだけどねぇ・・・」とクビを傾げる。いや、クビを傾げたいのはこっちなんだが?なんで和田さんの言う事を根拠もなしに丸々信じるかね。社長は首を傾げつつも「まぁ、入ったばっかりだし・・・」とか抜かしやがった。「経験者なんで即戦力になる」的な発言してた奴がなんでいきなり180度見解を変えるわけ?そして、いつものように「忙しいから・・・」と言って逃げるように弊社をそそくさと後にした。お前何しに来たんだよ・・・。
更にその翌日、和田さんが出勤してきたため、休み前にやってもらった製品の中に不良品が混ざっていたことを伝えると、和田さんは「え?入ってました?」とのお答え。ええ、がっつり入ってますが何か?とりあえず、もうその製品は終わってしまったので、今度は別の簡単な製品をやってもらう事に。ところが、この製品も良品と不良の判別が全く出来ずに、さっぱり仕事が進まない。
そして終いには「全然判断出来ないんで、不良品のサンプル作ってもらえません?」と言ってきた。確かに一見するとサンプルがあれば便利なようにも感じるが、不良のサンプルは作ってもキリがないというのが正直な所である。例えば不良の種類の1つである「異物」。これを例に取ってみると、1つしか異物がなくとも大きかったらアウトだし、小さい異物だったとしても複数個同時にあればアウトである。製品のどの場所に異物があるかでも良し悪しが変わって来るため「本当にダメなヤツ」以外は感覚と経験でやらなければいけないのが本当の所である。だから、サンプルは「本当にダメなヤツ」と「どっちか迷う微妙なヤツ」ぐらいしか作れないのだ。仮に不良サンプルを100個作った所で逆に迷ってしまう原因にもなりかねない。ワイは「微妙で迷うヤツ」を数個サンプルとして作って和田さんに提供した。だが、そのサンプルを見ても彼女は迷い、捗らない。おい、サンプル作ったら捗るんじゃないんかい!
ぶっちゃけこの仕事を全くやったことがない新人さんであれば(ただし週5勤務が前提)、こちらも最初だから出来なくても仕方ないと思うし、仮に未経験だったとしても出来る人は出来るものである。彼女が問題なのは「出来る」とうそぶいて入社してきている事、そして彼女が未経験者であれば、弊社は彼女を採用しなかった可能性があるという事である。何としても採用されたい気持ちは分からなくもないが、自分でハードル上げて後々辛くなるのは自分のような気がするんだが?ましてや週3で合計15時間しか働けないのであれば、平均的なパートの約半分の勤務時間なわけで、約半分の勤務時間という事は仕事の習得に単純計算で通常の倍の期間かかってしまう事になる。それを避けたいから「経験者」を採用したというのに・・・(呪)。ちなみにその後、半自動成形の機械の方も彼女にやってもらったが、これもなかなか上手く行かず・・・。しかも入社時から分かっていたらしいのに、その日の帰り際になってから「あ、明日用事で休みます」だってよ・・・誰だよ採用した奴!!仕事進まねぇんだよ!!
今回はこれで一応ファイナルですが、実は和田さんはこの後もずっと弊社で働く事になる。いつもならここで会社辞めてる展開なんだろうが、彼女は何としても弊社にしがみつきたい気持ちが強いみたいでね・・・。もちろんその間にもいろいろやらかしているわけで、そのやらかしについては話が進むと共に書いて行きたいと思う。

