ワイの地獄 その1

仕事シーズン2・中

目クソ鼻クソ対決 ファイナル(前回の記事)

 さて上田の件が一応終わってひと段落、と行きたい所ではあるが、この回の最後にも書いたように上田の問題と並行するように重大な問題が起こっていた。実はこの並行して起こっていた様々な問題の対処に追われたり、ガチで悩んでしまっていたためにワイが上田に構っていられなくなった面もある。よって、この『ワイの地獄編』に書かれている出来事は全て、上田が弊社に在籍して皆に迷惑かけまくっていた時期に同時に起こってしまった問題だと捉えてほしい。

ワイは1人しかいないんだが

 皆さんは覚えているだろうか?上田問題が起こる前、社長がワイや工場長Xに一言も相談のないまま勝手に取って来たF社のE、G、Zという3種類の仕事があった事を(詳しい経緯はこの記事で)。単価は高いかも知れないがその分手間がハンパなくかかる製品で(要は経費がその分かかるため利益がほぼない)、おまけに製品のサイズが大き目なため置き場所にも困るクソみたいな製品である。この製品を弊社の状況も考えずに取って来た社長だが、ワイが「無理です」と訴えても無責任にワイから目をそらしながら「何とかなるんじゃない?」とのたまう始末であった。
 更に不幸だったのが、パートタイマー達がワイに対して全く協力的ではなかったという点である。上田が弊社に来る前の時点でももちろんだし、上田が弊社に入社して仕事の役割を分けた後にもパートが出来ないとか苦手な製品(本当は出来なきゃいけないのを、努力しない)はワイが頼まれてやっていたにも関わらず、こちらがF社の仕事を頼もうとすると露骨に嫌そうな顔になり、溜息まで付かれたりする始末(主にB)。誰もF社の製品はやらなくても良いなんぞ一言も言っていないのに、勝手に「F社の仕事は自分たちは関係ない。だってパートだも~ん」とばかりに酷い態度を見せて来るので、ワイはそれが逆にストレスになって自分1人で何とかするしか選択肢が無くなっていた。
 このパートタイマー達のあまりにも酷い態度に何度か社長にかけあった事もあったのだが、返ってくる答えはいつもと一緒。「皆で協力しなきゃ」だとよ。皆が協力しないから相談してるのに、その答えが「皆と協力しないと」ってなにこれ?つまり「皆と協力しなきゃいけないから、皆と協力してください」って言われてるわけだが、これって小泉進次郎構文か何か?キャパオーバーしてるにも関わらずワイ以外の誰もがその現実から目を背けている状態で、ワイは追い込まれつつあった。
 このEGZの製品(特にEとG)はとにかく手間がかかるのが問題だった。F社でこの3種をやっていた頃はそれぞれの製品ごとに専属の担当者(外国人研修生)がいるという体制を取っていた。一方弊社はというと、まずワイしかやる人間がいない上に、ワイは他の仕事も抱えている(F社以外の仕事、副資材の発注や電話対応やちょっとした事務的な事も)。更に工場長があんな感じなので、本来なら彼が気を配らなければならないようなことも、何故かワイが気を配ってXに教えたりしている状態であった。そんな状態でありながら、F社の納期はK社よりも厳しいと来たもんだ。詰んでる・・・。
 更なる問題として、見た目が良く似ているため本来ならばEとGを別々に成形すべきところを、納期に間に合わないからと時間短縮のために2種類同時に成形していた(1つの金型で2種類作れる仕様)。別々に作ればEとGの仕分けは不要なのだが、同時に作っているため最初にやらなければいけない仕事はEとGの仕分けという事になる。しかもパッと見ただけでは同じ製品に見えるためややこしい。
 大まかな仕事の流れとしては、2種類同時成形(本当は禁止)→Xやワイが合間にEとGを別々の箱に分ける→これをワイが検査・箱詰め(梱包仕様が鬼)・ラベル貼り(通し番号ありでややこしい)、出荷するものはその場所に、出荷できない在庫の分は倉庫に運ぶというものである。他の仕事を抱えながら、納期の短い何千個もの注文を捌かなければならないのである。ワイ、死ぬでこれ。
 従来の仕事をしながら新たに増えた仕事もこなさなければならないとなると、どこかの時間を短縮させなければならなくなる。仕事が増えれば増えるほど、1つの仕事にかけられる時間が減って行くのは当たり前の話である。しかし、ここを適当にやってしまうと今度は信頼がガタ落ちしてしまうのも事実。大量のキャパオーバーの仕事を捌きつつミスをせずに信頼を得るには人手不足を解消するのが確実なのだが、社長が進次郎状態のためそれも望めないし、パート達も如何に楽するかだけを考えているため当てにはならない。

 『F社では専任制で3人でやっていた仕事をワイ1人でやらなければならない』という事実に、ワイは息が詰まりそうになっていた。計算合わなさすぎなんだが?その状態を知りつつも見て見ぬふりをするパートと社長。このストレスとプレッシャーが、ワイを徐々にピンチに追い詰めていく事になる・・・次回へつづく。

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