企み その5

仕事シーズン2・上

企み その4(前回の記事)

 F社の製品説明を聞いた時点でとんでもない事になりそうな予感がするワイ。そもそも世の中そんなうまい話などあるわけもなく・・・。

ワイ、死の予感

 さて、前回の記事の続きである。

4.EとGは完全に外観重視な製品であるため、輸送中に傷が入るのを防ぐため梱包を厳重にやらなければならない。

 EとGは梱包仕様が鬼である。輸送中の製品への傷を防ぐため、1箱(宅配便で例えると60サイズくらい)にたったの25個しか入らない。更に段ごとに厚紙を敷き、上の隙間は新聞紙で埋める。これの何が問題かと言うとまず手間がかかりすぎるのと色によって変わりはするが、1000個とかいうふざけた数で注文が来ることだ。さて、ここで問題です。1箱25個入りの製品の注文数が1000個だった場合、一体何箱必要になるでしょうか?・・・で、この製品の梱包・管理は誰がやんの?

5.製品1個が弊社の従来扱っている製品に比べてデカく、とにかくかさばる。

 上記の4番にも通じる話だが、60サイズの段ボールが一体いくつあったら足りるんだよこれ?製品自体がかさばり、更に梱包するともっとかさばる。弊社の倉庫はもうこれ以上他の製品を置くスペースもなく、パンパンである。更にこれだけの数の段ボールを消費するとなるとその段ボールを置くスペースも用意しなければならないZは1箱100個入りだが、EGとは逆に抱えなければ持てないデカさの段ボールで、梱包すると中身ぎっしり詰まるので重い。この段ボールもかなりかさばるんだが。・・・で、この段ボール置き場の確保とか製品の置き場の確保とか誰がやるの?

6.F社の製品ラベルはK社やU社と違ってラベルに通し番号があり更に注文後にラベルが郵送されてくるため、在庫製品に注文が入る前にラベルを貼って管理するのが不可能である。

 これ、非常に都合が悪い。元々取引のあるK社とU社の製品は、ラベルを付けた状態で「在庫として保管」することが出来る仕様になっており、通し番号なども存在しない。梱包と同時にラベルを貼りつける事が出来るため、注文が入ればその製品の袋に貼ってあるラベルを見て出荷すれば良いのだ。しかしF社の場合は注文が入ってから注文の枚数分だけのラベルしか郵送してもらえず、事前にラベルを貼り付ける事が不可能。よって、在庫として梱包した製品の段ボールには、一々品番、色番、数、ロット番号などを記載しなければならず、これだけでかなりの時間を取られることになる。かと言って注文が入ってから作っても間に合わないため、こうするより他ないのだ。・・・で、それ誰がやんの?

 ・・・とまぁ色々書いたが全てに共通して言えることは「誰がやんの?」って事である。パートタイマー達はそもそも働く時間に制限があるため、早出残業は無理である(そもそも本人たちにやる気がない)。特にパートタイマーのBなんかはF社の仕事を振ろうものなら露骨に嫌そうな顔をするので、ワイは仕事を振れなくなっていた。
 夕方になりF社の方は帰って行ったが、社長は未だに弊社に来ず(逃げてる)、L氏がまだ残っていた。L氏は書類上で見るよりもやっかいそうな今回の製品のあっせんにバツが悪そうな様子が少しだけ伺えた。人が付きっきりは到底不可能なため、何とか傷付けずに製品を溜める方法などをXと模索していたようだ。Zの方は何とかなったが、EとGに関しては上手く行かず最終的には「工場長とシメジさんで何とか良い方法見つけて下さい」と言ってL氏も帰ってしまった。
 パートも帰ってしまい、残されたワイとXは2人で呆然としていた。どう考えてもこの状況は詰んでる。

ワイ「・・・ねぇ、これ物理的に無理じゃね?」
X「でも取ってきてしまったものは仕方がない」
ワイ「Zはなんとかなると思う。でもEとGは無理じゃね?」
X「でも以下略・・・」

 
 この問答を意味もなく繰り返していたが、ちょっとでも仕事を進めるために(納期の余裕があまりない)、このやっかいな製品に取り掛かるワイとX。この日、結局ワイは2時間の残業(早出もしてるのに・・・)、Xは更に残り自分が帰るギリギリまでEとGの製品を箱に分けながらコンテナに並べる作業をした。ちなみにこの日社長が弊社に来ることは一切なく、電話すらもかけてこなかった。・・・はぁ?
 翌朝、結局ワイは昨日残業したにも関わらず早出をするしかなかった。Xが分けたEとGの製品を検査室に運び入れ、EにはGの、GにはEの混入がないかを確認しながら検査→梱包を繰り返す。1箱に25個しか入らないため、箱を作るだけでも手間がかかる。それを出勤してきたパートのBが「この人何してんの、まぁワタシには関係ないけど」みたいな顔で知らんぷり。あ~あ、会社爆発しねぇかなぁ?

 そんなこんなで死んだ魚のような目でワイが仕事をしていると、そこへ何食わぬ顔で社長が「どうだった?」とやって来た。今更何しに来たんだよとりあえずタヒんで?そんな社長にこの仕事がいかに大変かを説明するワイ。人も絶対的に足りない事も強調しようとするワイに、このクソ社長が信じられないような言葉を発する・・・次回へつづく。

 

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