企み その6

仕事シーズン2・上

企み その5(前回の記事)

 F社の立ち合いにも同席せず、L氏と工場長Xとワイに押し付けて自分自身は逃げた社長。翌日何食わぬ顔でやって来たわけだが、この男、とんでもないクソ野郎だった(え?すでに分かってる?)。

異論は認めない

 ワイはF社の仕事だけやっていれば良いわけではない。当然、K社とU社の仕事もやらなければならないわけだから、F社では完全専任制にしていた今回の仕事を弊社が出来るわけがない。完璧にやろうとするならば最低でもフルタイムパート(仕事出来る事が前提)あと2人いるんだが?という事でワイは社長に訴えた。

ワイ「これ、大変です。まず、製品が傷付くので人が会社にいる間しか作れないですし、検査・梱包ともに手間がかk・・・・」
シャチョ「(被せるように喋ってくる)まぁ、そこは皆と協力して」
ワイ「パートさん達は就業時間内はK社とU社の仕事がありますし、早出残業しませんから協力を仰ぐのは無理でs・・・」
シャチョ「(被せるように喋ってくる)まぁ、そこはこれからなんとかするとして」
ワイ「F社はこの製品を外国人研修生に専属でやってもらっているそうです。今のままでは人が圧倒的に足りませn・・・」

 と、必死にこのままでは無謀すぎることをアピールするワイに社長はこう言い放った。

「まぁ、なんとかなるんじゃない?(目をワイから背ける)」

 なんか、前にもこんな事あったような・・・。そして何この圧倒的他人ごと感は?何ともならねぇからテメェに話してんだろ!しかも人が話し終える前に被せるように喋ってきて、ワイの意見なんか聞かねぇよみたいな雰囲気出してんじゃねぇぞ。しかも目を背けるとは、もはや人としてもどうかしている。そもそもこれはテメェが勝手に取って来た仕事。テメェが最後まで責任持ってどうやったら上手く行くのか考えろやこのクソ野郎!・・・おっと、うっかり取り乱してしまったスマンスマン。このクソ野郎の態度と前日のL氏の態度を統括すると、今回の仕事を取って来るまでの間に次のようなやり取りがあった事が推測される。

 社長がF社の仕事くれとL氏に頼む→L氏がF社に相談に行く→F社は、どうせなら面倒くさいのくれてやれと今回のEGZの仕事を提案→書類を見ただけでも面倒くさい製品なのは営業上手で頭の良いL氏なら把握してるはずだが、L氏は弊社に仕事を紹介して実際にやってもらうことで中間マージンを取るのが仕事なので、「単価が良い事」だけを強調して社長にEGZの製品を紹介する→社長は単細胞なので「単価が良い」部分だけに食いつき、ろくにどんな製品かも精査しないまま仕事を受注する→ワイ無事死亡確定。

 といった具合である。前々から思っていたがこの社長、「単価」に食いつく癖がある。言っておくが、単価が高い物にはそれなりの理由がある。単価が高いという事は、それに伴って経費もデカくなるなんぞ当たり前の話である。しかも今回の製品に至っては製品がデカくて原材料を多く消費するため原材料代が高つく上にとんでもなく手間がかかり、なおかつ管理も大変という3重苦である。F社がこの製品の金型を手放したくなるのは当然だ。
 本来ならば実物を見なくとも書類で詳細を見れば「この製品が儲かるのか儲からないのか」など、ワイでも見分けがつく。ましてやこの不景気に「儲かる仕事」など存在しないのが現実である。だって儲かるのならそもそも取引先が金型を手放さないから。そんなことも分かんない奴が社長やってるとかアタマおかしい。
 このアタオカ社長の態度を見てワイは絶望した。仕事は勝手に取って来る、F社の立ち会いからは逃亡し連絡も寄越さない、問題点は無視してワイに丸投げと来たもんだ。全ては社長自らが1人で勝手に決めた事である。それを従業員にやらせるのであれば、せめて完璧に遂行できるように体制を整えたり問題点を洗い出して対処したりするのが本来の社長の仕事のはずである。だが、それすらもやらない。じゃあ、お前は一体何のために存在してんの?何で産まれてきちゃったの?

 このEGZの製品はこれからじわじわと弊社(主にワイだけど)を苦しめる存在となって行く・・・次回へつづく。

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