一番最初の採用は その3

仕事シーズン2・上

一番最初の採用は その2(前回の記事)

 最初っからため口、そして配送でのミスをやらかした(本人はそう思ってなさそうだが)Qに、本来やってもらうべき成形関係の仕事をする時が来た。さてさてどうなることやら。

経験者って何?

 さて、翌日から本格的にXの指示の下で働きだしたQ。前の会社でも謎の課長職やる前は原料の用意や型替え成形まで一通りやっていたらしいので、その部分の話だけを聞けば何の問題もない。その謎の課長職やってた以外はね。当然社長もその話を聞いて、仕事が出来ると判断した上で雇っている(なぜ謎の課長職の話に突っ込まなかったのかが理解不能。Qの事ではないが社長の面接の際の判断の甘さは、後々デカい障害となってウチの会社に影を落とし続ける事となる)。
 Xは、当時ウチの会社に10台あった成形機の2台ほどをQに取り合えず任せてみようと考えたようである。やる前から何となく自信のあるような態度を取っていたQ。配送のミスに関しては慣れない仕事だったから。ため口に関しては仕事さえ出来るのであれば多少口が悪かろうと仕方ない、とワイは自分に言い聞かせていた(そうしないと精神的にやってられないから)。そして、ワイは自分の仕事を黙々とやっていた。
 さて仕事の事で話す必要があったため、ワイはXの元へと向かった。ついでに気になっていたQの事も「Qさんの仕事っぷりはどう?」と聞いてみたのだが、反応がよろしくない。どうも話を聞いてみると、朝に頼んだ型替えがまだ終わっていないというのである。朝は8時始業でただいまの時刻11時。・・・通常ならば遅くとも1時間で終わるものが3時間経っても終わっていないのは何かトラブルでもあったのか?
 そう思ったXがQに何かあったのか聞いても「大丈夫っす」としか言わない。これでは埒が明かねぇ。本人に聞いても何もないとしか言わないし、Xにも自分の仕事があるから放置しているとの事。・・・これはもう色んな意味で100%嫌な予感しかしないんだが?ワイは成形に関しては素人なので口出しすることも出来ず、頭の中にイヤ~な感じがじわじわ広がっていくのを我慢するしかなかった。結局Qが1面(型は1面、2面と数える)の型を変えるのに要した時間は4時間だった・・・。
 なんとか型替えが終わり次は成形するお時間(すでに時間オーバーしすぎだが)。本来、型替えが終わってから製品を出すまでの時間は簡単なものなら早くて15~30分で終わるものだ。Xは簡単な製品の成形しか指示してないので、そんなに時間はかからないはずなのだが・・・実際Qが成形を開始してからワイの元に打ち初め品を持ってくるまでに2時間かかり、更に持ってきた製品は「見たら直ぐ分かるだろうよ」っていうくらいの不良品だった。ワイは「ここ、直りませんか?」と言った。Qは「やってみます」と言ってしばらくして新たに持ってきた製品は良品だったものの、その後製品を打ち出している最中の管理を一切やっておらず(Xにはその事は指導されている)、朝出来ていた製品は不良が混じりまくったものだった。(ちなみにウチの会社は人と金が足りず、本来ならば投入すべき夜勤の従業員がいない。つまり、男性陣は自分が帰る直前までに成形の条件を整えなければいけない(夜は機械が勝手に成形している)。
 次の日他の製品をやらせてみても、型替えの時間+成形の時間+成形条件の変更で丸1日かかっている。おまけに作った製品は不良だらけ。そして次の日もその次の日も・・・。そして2週間経ってもその状況は変わることはなかった。こいつは危ない匂いがプンプンしてきたぞ。Xも段々イライラしてきているのがワイにも分かった。
 このままでは、Xの特技である「無視」が発動されるのは時間の問題だった。XがQを指導しなくなることによって、割を食らうのはワイである。しかもワイはもうすぐ手術の身。これは阻止したい、と思ったワイはXに提案した。「とりあえず社長に報告してみたらどう?」と。
 社長は週に2~3回しか来ておらず、短くて15分、長居したとしてもXと長無駄話しているだけで会社の中を見て回る事や、Xに最近の仕事の状況を聞くなどという事はほとんどせず(何しに来てんだって話になるが)、つまりXが自ら社長にこの現状の報告を上げない限り、社長は上手くやっているんだな、仕事は出来るんだなと勘違いし、それに伴う様々な弊害が出てくる(仕事が出来ると思っているため、難易度の高い仕事を取ってきたり)。
 ところが、Xは「うん」と小声で返事しただけ。今までの経験上「これは報告しないな」というのが分かったワイは落胆した。その後社長が来てXと喋って帰っていったので、ワイはXに聞いた。
ワイ「社長にQさんの事言った?」
X「言ってない」
ワイ「なんで?」
X「言うの忘れた」←絶対ウソ
ワイ「・・・・」

この男は何か問題が起こって本来社長に報告上げなければいけないような時も、絶対にそれをやらないのだ(前社長の時も同様)。当然工場長という肩書をもらってその分給料上乗せされてんだから、良い事も悪い事も報告を上げるのはXの義務である。その義務を放棄してんだからやってない分のお前の給料ワイに寄越せ(Xについては問題点がありすぎるので別記事で書きたい)。


 結局社長に報告を上げなかったXは、Qに対して指導放棄をし始める。指示を出すのも、箇条書きにされたやることリストを朝Qに渡すだけ。ただでさえ危なっかしいQの指導をしないという事は、この後もっとやらかす可能性が高くなるだけなのではないのか?そう心配した矢先にそれは起こった。

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