ワイの「まずは社長に報告を」というアドバイスを無視してQの指導を放棄し始めたX。指導してないわけだから、Qが間違った方法で仕事をやろうとしても我関せずの状態になるわけでありまして・・・。
工場長の存在意義とは
そんな状態なもんだから問題が起こるのなんか目に見えているわけで、ワイの思った通りQはとうとうやらかしてしまった。しかも今回は「型を壊す」という重大ミスだ。この製品は納期が迫っており、なかなかどの成形機も空かない+Qの仕事の遅さが重なって今になってやっと取り付ける順番が回ってきたわけだ。
さて、金型というものは基本取引先から「借りているだけ」に過ぎない。取引先が協力会社に仕事を振る際に「移管」という形で協力会社の元に型がやって来る。「この型で作る仕事を与えますんで、そちらで管理保管して下さい」ということなので、手元にあってもあくまでも借りているだけ。大事に扱わなければならないのだ。
そんな大事な型を、キャリア(?)がありながら初歩的なミスで壊してしまったQ。本人曰く「ちゃんと見てやったのに」との事だが、ちゃんと見てたのならそもそも発生しないミスなんだが?
壊れた型は当然ながら直さないといけない。孫請けごときの会社にそんな技術はないので、取引先の担当部署に連絡した上で型を持って行き修理してもらう事になる。今回の型はK社から移管されたものなので、XはK社に電話し状況を説明。担当者はその話を聞いて「普通そんなミスはありえないんだけど、その人大丈夫?」と言ったとか。新人ならともかく50代の経験者がやらかすミスではないということである。まぁ、そうですよね。ただ確実に言えるのは、Qの前職の課長という役職は左遷ポジションだったという事である。
さすがに型まで壊してしまったとなると、当然納期も遅れることになり社長に報告を上げざるを得ない。大丈夫だとは思うがワイは一応Xに「報告はした方が良いよ」と釘を刺しておいた。ちなみにワイがこうも報告をすることに関してうるさく言うのは、それがXの義務だからに過ぎない。義務を果たさずしていきなり自分勝手な判断で「指導放棄」をするのが工場長の仕事ならば、そんな奴要らねぇ(昔の恨みがこもってる)。
さて、例のごとく社長がやってきてXを捕まえ話をして帰って行った。
ワイ「型壊れた事社長に言ったよね?」
X「言ってない」←デジャヴ
ワイ「何で?これは報告しなきゃダメでしょ」
X「言うの忘れた」
ワイ「・・・・(こいつ首絞めたろか)」
・・・忘れたなどと見え透いた嘘をつき、社長へ報告を上げなかったX。お前が報告を上げないことによって会社全体が皺寄せを食らうのをこいつは分かってない。Xが適切な報告や指導をしていれば事前に防げるかも知れないものを放置して、事が起こってからでは遅いんだが?もちろんXだけが悪いとは言わない。Qも、それを雇った社長にも責任はある。が、この場合社長はQの実態を知らないわけだしQが自己申告するはずもないのだから、それを知らせて社長の判断を仰がなければならないのはXの義務なのだ。
ワイは迷っていた。Xが意地でも報告を上げる気がないのであれば、ワイが代わりに社長に報告をすることも可能だ。だが自分の管轄ではないし、Qの直属の上司はXだ。さて、どうするべきか・・・う~ん・・・。てか、なんで安月給のワイがこんな事で悩まなきゃいけないんだよ。本来ならばXが解決すべき問題、ワイはそう自分に言い聞かせて社長へ報告をするのは止めにした。
Xはこんな事があってもなお「指導放棄」を続けた。当然Qのポンコツ具合が改善されるはずもなく、今度はXが朝出社してみたら金型が成形機から外れかけて落ちそうな状態で製品が成形されている、というとんでもない事態になっていた。これは型壊す以上の大問題だ(型も成形機も壊れる可能性大)。だが、Xはこのような重大事項についても社長に報告を上げる事はなかった。
ワイはQにもXにもイライラし始めた。自分の仕事1つマトモにやらない奴らがワイよりも良い給料もらってるなんて(偶然にもQの給与額を知ってしまった)。いくら仕事内容が違うって言ったって、その差を考慮しても男性陣は貰いすぎで、ワイは貰わなさすぎである。だってこいつら自分の業務遂行してないのに給料満額貰ってんだから。・・・って社長変わったばかりのはずなのに、これは前社長時代と同じような悩みに移行してないか?わずかな不安を覚えつつ、ワイの入院の日は迫っていた。

