目クソ鼻クソ対決 その19

仕事シーズン2・上

目クソ鼻クソ対決 その18(前回の記事)

 上田が検査室にいる間はさっぱり仕事が進まず(逆に指導に時間がかかりすぎてる)、上田を半自動成形の方へ追いやろうと考えたB。ところがこれが新たな波乱の幕開けであった。

そもそも向いてない

 半自動成形は、主に2種類の製品を作っている。1つはその場で完結させられる製品なので(利便上、この製品の名前をハンドルAと名付けます)工場長のXとパートのBに指導してもらえば良いだけなのでワイは傍観していられる。問題はもう1つの製品の方である。この製品(この製品は利便上、ハンドルZと名付けます)前にも書いた事があるのだが後処理が必要な製品であり、半自動成形機のブースだけでは完結出来ないものであった。ハンドルZに関しては機械ブースでは金具を型に入れる(簡単)→製品から不要な部分を綺麗に切り離すの2工程のみ。その場で検査などをするわけではないので、チョー簡単である。
 問題はその後の処理であった。後処理は検査室で検査をしながらバリを取るというもの。この製品、K社の製品なので本来ならばワイの担当ではない。ところがAさんもBもこの製品が苦手(出来ないわけではない)で、「シメジちゃん頼める~?(おめめキラキラ)」と言われて仕方なくワイがやっている。そんなの断れば良いじゃんと思われる方もいると思うので補足しておくと、この製品をAさんとBにやらせるとクッソ遅い=納期に間に合わないため、ワイがやっている状態だ。ワイならパートの半分の時間で後処理を終わらせることが出来る。そもそも「苦手な仕事や出来ない仕事」がある時点で上田に偉そうに指導する資格なんてみじんもねぇけどな?なのでこのバリ取り製品を成形している時はワイが嫌でも関わらなければならないという事を、この時はすっかり失念していたのである。
 とりあえず、上田には現在注文が来ているハンドルAの成形に取り掛かってもらった。とは言え、ワイは傍観しているだけなのだが。検査室内での簡単な作業もこなせない上田が、金具を型に入れる+成形ボタンを押す+製品が出来上がったら型から取り出して綺麗にゲートカット(不要な部分との切り離し)+検査+箱詰めという作業を一定の時間内に終わらせるという作業を繰り返す事が簡単に出来るわけがないのは分かっていた。それはワイだけではなく、Bも同じ考えだろう。ただ、上田が目障りになって来たので場所を移動させたかっただけというのが正しい。
 案の定、ハンドルAの指導は全くと言って良いほど上手く行っていなかった。まず、「検査」の部分に関しては判断の付かないものは机の上に出してもらい後でXやパートが判断するという方法を取ったようだが、上田はそもそも「判断出来ない(する気がない)」ので、机の上はハンドルで埋め尽くされて従来の作業が出来ねぇ事態に陥っていた。更なる問題はゲートカットであった。ゲートカットはこの記事でも書いたが、この業界で仕事をして行こうと思ったら絶対にマスターしなければならない基本中の基本の作業である。これが出来ないのであれば、この仕事は向いていないと言っても過言ではない。
 この「製品と不要な部分をニッパーで綺麗に切り離す」という作業も上田にとっては難関らしく、さっぱり上手く行ってない様子。まぁ、このハンドルAは切り口がカーブになっているため余計に出来ないのだろうが、弊社に来てからもう5カ月くらい経ってるのに基本中の基本も未だに習得出来てないんだから、こいつを弊社に置いとく意味ってあるのかね??
 その後もどれだけ指導しても上手く行かない。結局機械ブースで本日の仕事が終わって検査室に来てもらっても、上田にやってもらえる仕事はない。そのため、検査室に戻って来る上田自身に彼女が汚く切った製品の切り口の手直しをさせるという、非常に意味のないような事をやらざるを得なくなっていた。しかしここでも問題が起きる。汚く切ってしまった切り口の手直しは、実は非常に手間がかかる。少ししか残っていない切り残しをニッパーで切るのは非常に困難なため、手直しはカッターを使わなければならなくなる。だからこそ、ゲートカットは1発で綺麗に切らなければいけないのだ。だが、このカッターでの手直しすらも上田は上手く出来なかったのである。
 様子を見ていると、どうにもカッターの扱い方がおかしい。今にも手を切りそうな持ち方をしている。見かねたBが上田にまるで小学生に教えるように「こうやって持ったら危なくない」とか「こうすれば上手く切れる」と言っても一向に上達しない。・・・これさ、結局上田ってクッソ不器用なんじゃ?・・・不器用なのになぜこの仕事を選んだのかと小一時間問い詰めたい。不器用+やる気のないコンボで、Bはイライラしている模様。本来ならば30分もかからないような手直しに2時間以上もかけてるんだからそりゃあイラつくよね、まぁ、ワイから言わせりゃお前が言うなって話なんだが。

 こうして上田は自分がやった事の後始末もままならないようであった。結局手直しすら時間がかかって上田の終業時間になり、その後始末をBがやるという事になってしまい、Bはイライラマックスであった。それをワイはいち傍観者として『ほれほれ、ワイの気持ちが少しは分かったやろが、ざまぁwwww』と思いながら見ていたのである上田があんなことをするまでは・・・次回へつづく。

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