さて、どう考えても弊社にはミスマッチの応募者が入社する事が決まってしまった。利便上、その応募者の名前を「町田」とする。今までの経験則上、面接の時点で不安を覚える人間はその後もやはりトラブルメーカーの確率が高い。今回も恐らく例外ではないはずだが・・・。
面接の意味とは
実は町田を採用する決定をした後、社長はちょっと渋い顔をしていた。社長曰く「こっちは週3日しか募集してないのに強引だったから」「一応経験者みたいだし(この場合の一応って何だよ?)」「経歴が怪しいけど本当かもしれないし(根拠なし)」だとよ。いや、そんなこと言うなら採用すんなよボケ。というか、じゃあ何のために面接やってんのって話になるだろうが。圧迫面接なんぞは言語道断だが、ある程度の精査は必要だろうよ、ましてや他で落とされまくったと推測される人間なんか特に・・・。
かなり前にも書いたことがあるのだが、零細の面接はほぼザルであると言っても良い。これは前社長時代も同じことで、社長自身が人を評価するスキルを持っていない事に起因していると思われる。まぁ、そんな奴がよく社長やってんなって話なんだが逆に言えばそんな奴でも社長としてやっていけるのが零細とも言える。ただそんな時代はもうとっくに終わりを迎えつつあるのだが、そんな事にすら気付けてないのが零細の社長なのである。・・・おっと、これ以上は長くなるのでまた別記事で書きたい。
町田が強引に言い寄って来たからって、根拠もなしに彼を採用するのはどう考えても危険だ(いろんな意味で)。社長を今まで人間観察していて思ったのは「どう考えても間違っている」と思われる判断ですら理由を付けて自分自身で肯定する性格のようで、今回も内心間違ったかもと思いつつも「出来るかもしれないから」と根拠のない理由を付けて(それは最早理由になってない)自己肯定。これじゃあ経営の舵取り無理じゃね?それとも町田になんか弱みでも握られてんのか。そんなわけで、採用した本人ですら渋い顔をする町田が入社する日を迎えてしまった。
朝、事務所に従業員全員が集められた。隅っこに背の高い見知らぬ男が立っていたが、これが町田のようである。社長に挨拶をするように促された町田。ほとんど聞き取れないような小さな声で「・・・・・アッ・・・マチダデス・・ヨロシクオネガイシマス・・・」と、日本語喋り慣れてない外国人のような挨拶をした。その間、ずっと下を向いたままこちらを見る事は一切なく、なんか手もモジモジしている。年齢60代らしいがその風格は全くと言って良いほど皆無。いや、面接時の強引な態度どこ行った?この姿にワイはものすんごい嫌な予感がした。これから嵐が来るような、そんな予感が・・・。
さっそく半自動成形機の前に配属される町田。指導は工場長のXが担当、社長は社長のクセに製品の製造工程を良く理解しておらずその姿を見てるだけ。お前がここにいる意味ある?この製品は金具を2個金型に入れる→ボタンを押すと勝手に機械が成形→成形された製品を機械から取り出す→また金具を2個金型に入れてボタン押す→次の製品が出来るまでの間に先ほど機械から取り出した製品2個を綺麗にゲートカット(プラモデルのパーツを切る取る作業を思い出してもらえれば良い)、検査、既定の入り数でコンテナに並べて蓋して完了、という工程である。
この一連の流れが連続する作業なわけだが、初めての人間がつまずくのが大体「ゲートカット」と「検査」の部分である。もちろん、慣れてない人間がやる場合には検査室に持って来て改善されるまで2重に検査をかけることになっているが、殆んどは2週間もすれば滞りなくやることが出来るようになる。ただ、この「ゲートカット」と「検査」は前にも書いた通りこの業界で仕事をしようと思ったら避けては通れないくらいの基本中の基本の工程で、逆に言えばこれが出来ないとこの業界でやって行くのは無理である。「検査」は中々習得するのが難しい部分もあるのだが、ゲートカットに関しては簡単な作業なのでこれが出来ないとちょっとお話にならないのだ。
社長はたった10分程度だけ町田の仕事の様子を見て、仕上がった製品を見直すこともなく「良かった~大丈夫だわ」と言って逃げるように弊社を去って行った。10分間しか見てないくせに何が大丈夫だよ。全然大丈夫じゃねぇわ、お前の頭が。
こうして町田が入社してからの日々が始まる事になった。散々書いているが、もうこれは嫌な予感しかしない。ちなみに町田の勤務時間は月曜から金曜の朝9時から夕方4時まで。さて、どうなることやら・・・(ゲンナリ

