地獄の2カ月 その4

仕事シーズン2・上

地獄の2カ月 その3(前回の記事)

 さて、基本の作業すらなかなか習得できない町田。最初に感じた嫌な予感は当たってしまったわけだが、かと言って町田を遊ばせておくわけにも行かず結局は根気よく教えていくしか方法がないのだが・・・。

どいつもこいつも

 次に町田がやる製品の金型をXがやっと取り付けた。今回の製品はぶっちゃけ前回よりも簡単(ただし、2個取りの製品ではなく4個一気に仕上がる製品だが)。なぜならバリがある製品なので、検査室で検査を兼ねながらバリ取りをしなければならない。そのため金具を入れる→ゲートカットをするだけで良い製品なので町田が検査をする工程が無いからだ。
 機械である程度の数が出来たところで、ワイは検査室に製品を入れ検査を兼ねたバリ取りを始めた(いつの間にかこの製品のバリ取りはワイが担当になっていた。まぁ、パートどもが私出来な~いみたいな態度取ってるからね、仕方ないね。チッ)。検査を始めた所出て来る出て来る、尋常じゃない数のゲートの高い製品が。ぶっちゃけこの製品はゲートカットとしては簡単な部類であり、「検査」という工程が減っている分カットは綺麗に仕上げてもらわないと困るのである。ワイはまたXに報告して、Xが町田を指導する→指導しても一向に直らずむしろ悪化→再び指導するという、なんとも不毛なやり取りがずっと続いた。結局直らないまま製品の製造が終わってしまった。
 一方社長はといえば、町田が入社して以降、不自然なレベルで一切弊社に顔を出さなくなっていた。今までの社長の行動からその理由は推測することが出来る。町田の入社に関しては実は不安で仕方ない社長は、町田が仕事が出来ない事を薄々感づいている。しかし自分の判断でこちらの意見も聞かずに入社させたため引っ込みがつかず、現実を見ないようにしている。つまり、一言で言っちまえば「責任取らずに現実逃避してる」って事です。おい、社長辞めちまえ。
 いい加減に町田に対して更なる不信感を持たざるを得なくなったワイ。基本中の基本が入社1カ月近く経った現在でも全く習得出来ていない(むしろ悪化)。しかも「何でもする」と言って弊社に押しかけ女房みたいにごり押しで入って来たのは町田自身であるのにも関わらず、実際は何でも出来るどころか何も出来てない状態。社長は「これで工場長と腹痛のシメジさんの残業を減らしたい」とほざいていたが、現実は町田の尻拭いで残業時間は爆発的に増えており、これならその増えた残業分で町田の代わりに無理してでもワイかXが機械に入った方がスムーズに安心して運用出来るんじゃね?ってレベル。
 実は、次に町田がやる仕事はなかった(注文がまだ入っていない状態)。前にも書いたが機械の月の稼働率は50%なのに対して、町田はほぼフルタイムに近い勤務時間。最初から計算合ってないんだっつうの、あのクソ社長め。もちろん、町田が出来ると仮定して(というか社長が無理矢理自分にそう思い込ませてると言った方が正しい)の入社なので、その頭の悪い計画は町田が出来ない事により破綻したも同然である。
 そもそも社長が言っていた「金型を替える間に町田にゲートカットでもしてもらう」という計画はどう考えても最初から上手く行くわけないのは当然だった。弊社には「自動ゲートカット機」というものが前社長時代から導入されていた。どうしても手間のかかってしまう「カットする」作業を、設定すれば自動的に行う機械があるため「ゲートカットしなければならない製品」というのは、町田がやっていた半自動製品、もしくはゲートカット機の台数が足りなくて仕方なく手で切る製品のみに限定される。町田が手持無沙汰になった時に都合よくゲートカットしなければならない製品が存在する確率はかなり低い。なんでこの計画に異議唱えなかったんだよ、馬鹿工場長め。
 町田のやる製品の注文がない以上、他の事をやってもらうしかないのだがそのゲートカットする製品すら現時点では存在せず。Xはどうするか考えた揚げ句に、ついさっきまで町田が製造していた製品のバリ取り(検査は無理そうなのでバリ取りだけ)はどうかとワイに言ってきた。ぶっちゃけ、出来る確率はかなり低いだろうと思いつつも遊ばせるわけにもいかないので、仕方なく了承した。

 この仕方なしに了承したバリ取り作業が、更なる混乱をもたらす事にワイはまだ気が付いていなかったのだ。次回へつづく。


 
 

 

 

タイトルとURLをコピーしました