目クソ鼻クソ対決 その4

仕事シーズン2・上

目クソ鼻クソ対決 その3(前回の記事)

 弊社で1番簡単と思われる仕事が出来ない予感の上田さん。当然初日に仕事が終わらなかった以上、同じ仕事を翌日もやってもらうのは当然でありまして・・・。

何しに会社へ来てるのか?

 彼女の机の上には、前日に残した仕事がそのままの状態で残されている。彼女のペースでは、今日終わるか終わらないかといった所。朝出勤してきた彼女は、昨日と変わらないそのままの机を見て嫌そうな顔をする。そして「今日もこれですか?」と来たもんだ。・・・いや、当たり前じゃんと言いそうになるのを抑え「お願いします」と言うワイ。嫌々席に着く上田(もう呼び捨て)。
 上田は、昨日と同じようにちまちまダラダラ仕事をし始めた。その様子に、周りのパートタイマー達が殺気立っているのが手に取るように分かる。これは色んな意味でヤバい、そう思ったワイは上田に「こうしてこうしてこうね」と、優しく自分のやり方を見せる(前日にすでに見せてる)。だが上田は「手が痛くて・・・」としか言わない。このままでは埒が明かないと悟ったワイは、他の仕事をやってもらう事にした。上田が残した仕事は「悪いけど・・・」と言って他のパートにやってもらう事にした。ぶっちゃけ一生懸命早くやろうとして手が痛いのなら分かるが、ダラダラやって手が痛いとはこれ如何に?
 まぁ、でもさっぱり仕事が進まないのなら、いっそのこと他の仕事をやらせた方が効率が良いかもしれない。ワイは次にニッパーなどの工具を使わない、おててに優しい仕事を選んだ。この製品はシンメトリーな「右のパーツ」と「左のパーツ」が混ざって成形されており、それを「右パーツ」と「左パーツ」に分けるものである。この製品は分けた後に他の人間が改めて検査をするため「右と左が混じってしまっても気にしないで進めて下さい」と伝え「慣れたら徐々に早くしていって下さい」とも伝えた。初心者でも早さを要求する理由は「内職レベルの仕事であること」「考えたり迷ったりする必要が全くない仕事であること」「よって、ここでつまずいている暇がない」の3点だ。これは検査の前準備的な仕事であり、1箱に付き慣れれば30分、遅くとも1時間で出来るもの。ただ、上田の仕事っぷりを見ると1時間半は要しそうではあったが、そこを承知でやらせてみることにした。
 ・・・だがしかし、ワイのこの読みは甘かったことに気が付いた。1時間半経っても半分も終わっていないではないか。途中で早くするコツを教えたが、一向に速度は変わらず。どうしたもんかと上田の仕事のやり方を彼女に悟られないようにこっそりと遠くから眺めるワイ(つまりは人間観察)。そしてワイは気が付いた。「彼女はそもそも仕事を一生懸命やるという概念がない」のだと。「この動作が苦手」とか「この作業が遅い」というレベルではなく、そもそも「こんなに厳しい(いや、むしろ優しいわ)とは思わなかった、やりたくない(だけど金は欲しい)」という考えの元仕事をしているらしく、顔はしかめっ面だし全ての動作が遅く、嫌々やっているのが手に取るように分かる。結局彼女はこの仕事も終わらせることが出来ないまま終業時間を迎えてしまったのである。
 困ったのはワイである。彼女を雇う事は最初から反対だった。こうなる事は最初から目に見えていたからである。そもそも「やる気がない」のであれば、どんな指導法を用いろうとも効果が無いんじゃね?・・・ここまでの話を聞いて「いやいやいや腹痛のシメジ、判断するの早くないか?」と思われるかもしれないが、こんなに早く結論を出すのには理由がある。彼女には今のところ「考えたり悩んだりしなくても良い仕事」しか与えていない。更にF社の仕事が増えた事で、ここでそろそろ出来る人間を雇わないとむしろワイの負担にしかならず、ワイが死んでしまう(精神的に)。そしてこの簡単な仕事を通過出来ないとなると、後々メインになる「判断力、迅速さ、物覚え」が必要となってくる「検査」という仕事を物に出来ない可能性が高い。「最初からテキパキできる人間」が中々いないのは分かっているが、「最初からやる気がない人間」も最初の段階で見極めなければ、日が経つに連れて会社(主にワイ)が地獄絵図になるのは、今までの経験則から分かっている。
 ただ、見極められたとしてもそれをどうすることも出来ないのがもどかしい。なにせ、社長自身が「1度雇った人間は意地でも雇い続ける(自分の責任を問われたくないから)」事に固執しており、社長が判断を下せなければ既存の人間がこの状態を我慢するより他に方法がない。これで「仕事をしない(出来ない)人間が得をする謎システム」の出来上がりである・・・。ただし、この回でも触れているが、たとえ不器用でも「向上心」や「ひたむきさ」があるのであれば、こちらも何とか頑張って教えたいと思っているのはお知らせしておく。

 

 こんな事を考えてもどうしようもないのを分かっていたワイは「でも、日にちが経ったらもしかしたら慣れて出来るようになるかも(ただし微レ存)」と思い込む事にした。そうすることで自分への精神的ダメージを減らそうとしていたのだ・・・次回へつづく。

 
 

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