目クソ鼻クソ対決 その27

仕事シーズン2・上

目クソは鼻クソ対決 その26(前回の記事)

 社長に頻繁に電話で連絡をするところを目撃されるようになった上田。それはもはや隠そうとする気もないようで、まるでワイらに向かって「私には社長が付いてるのよ」と言わんばかりであった。

適切な判断が出来ない奴を社長と呼んでも良いのか

 そんなある日、弊社に社長が来て工場長のXと何やら込み入った話をして帰って行った。いつもなら工場内をフラフラしていくのに(本当に言葉通りフラフラしてるだけで、重要な事は何も見ていない)、本当に事務所に入ってXと話をしていっただけだった。こういうパターンの時って何となく嫌な予感がするんだよなぁ、ワイの経験則上。
 その日の夕方の事である。パート全員が帰った所で、Xがワイに話しかけて来た。しかも「ちょっと話があるんだけど・・・」と、改まった様子で。Xが改まるとか、珍しすぎて今はまだ季節的に秋なんだが大雪降るんじゃね?これは何か重大な話かも知れないと悟ったワイは、Xと事務所に向かった。椅子に座ったワイにXが話を始める。

X「実は、社長には主任以外には話さないで欲しいと頼まれてるんだけど・・・」
ワイ「え?そうなの??なんの話?」
X「上田さんについてなんだけど・・・」


 ここまで聞いて、ワイは「上田をとうとうクビにする決心がついたのか」と思っていた。今の弊社の状況を見る限り、仕事をしない上田によって既存の従業員が精神的に疲弊しており、さらに間接的ではあるが経営的にも悪い影響を及ぼしている。人を雇うのはあくまでも会社の維持・発展のためであり、入社してきた人間が会社を衰退させているのにも関わらずそいつを放置とかありぇねぇ話なんですわ。

ワイ「んで、上田クビになるの?」
X「・・・それが・・・」
ワイ「(嫌な予感)え?違うの?」
X「今年いっぱいで、上田は社長の経営するY社に移るってさ」
ワイ「・・・・・・は?」

 ちょっと何言ってるかわからない。Xの話によればどうも頻繁に社長に連絡をよこす上田と社長は、こっそりY社で社長の嫁も交えて面談をしていたとの事。上田は当然ながら「自分の実態」を社長には伝えておらず、「一生懸命やっているのに上手く行かない」とか「皆が怒って出勤しづらい」など、完全に自分が被害者ですといった感じで面談したようだ。一方で弊社ではヒステリックなBが社長を呼び出して上田の事をワーワー言うため、アホな社長は「Bが一方的に上田を責め立てている」と判断。「ここ(弊社)で働き辛いなら、ウチの会社(Y社)で働く?」と打診したのだそう。本来ならば上田をクビに出来る絶好のチャンスのはずだったのに、なぜ更なるトラブルの元になるであろう提案をするのか?
 上田も上田で、普通の人間なら「辞める」選択をするはずだが、こんなラクな会社を辞めたくない上田は「移籍」という方法を選んだ。バカが2人揃ってバカな選択をした感満載である。まぁ、社長は上田の非常識さを知らないし(本人がウソついちゃってるから)、これで上田の実態を知ってもらえる上に、弊社から居なくなるのであればそれはそれで良い。が、経営者として賢明な判断とは到底思えないがな。
 ここで1つの疑問がわく。弊社でどの仕事も出来なかった上田が、Y社に移った所で同じ仕事内容なわけで到底役に立つとは思えない。上田は「自分は一生懸命やってるけどなかなか上手く行かない」と社長に自己申告しているため、「仕事が出来ない人間」であることは社長も認識しているはずである。

ワイ「いや、Y社に移っても仕事内容同じなのにやれる事あるのか?」
X「それが検査の方ではなくて、内職への配達とか製品回収とか、そういう運搬の仕事やってもらうんだって。今までは社長のお父さん(この人だけは社長ファミリーの中で唯一マトモ)がやってたんだけど、もう歳だし心配だから上田にやってもらうってさ」
ワイ「運送の仕事が嫌で前の職辞めたのに?それをあの?上田が?やるって?」

 社長は上田に「Y社に移る条件として運搬の仕事をすること」を提示して、それを上田は了承したのだとか。・・おいおい、こいつは経験則上嫌な予感しかしないが、もう弊社とは関係ないっちゃあ関係ないんで、もうどうでもええわ。とにかくもうこれ以上弊社に迷惑をかけないのであれば、Y社でどうなろうと知ったこっちゃねぇです。


 そしてこの「上田移籍」の事実は、年末が近くなった時に社長が従業員を全員集めた上で自らの口でパートに伝えるとの事。それまでは黙っているようにと、謎の箝口令が敷かれてしまった。・・・この「上田の移籍」と「謎の箝口令」。このダブルの出来事により、弊社はこの「目クソ鼻クソシリーズ」のクライマックスにて起こる波乱の引き金になってしまうのであった・・・次回へつづく。

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