新たな局面 ファイナル

仕事シーズン2・下

新たな局面 その7(前回の記事)

 さて、まだ何にも始まってないのに紆余曲折な展開を見せ始めた「男性正社員採用」。「選考」という言葉がこの世に存在しないかの如く、ストレートに採用が決まってしまった後藤さんの入社日がとうとうやって来た。

おや、もしかして・・・?

 出勤時間より1時間ほど早く彼はやって来た。ワイは事前に社長からタイムカードの説明と作業着の貸与を頼まれていたため、さっそく後藤さんに接触することとなる。早速事務所にいた後藤さんと簡単なあいさつを交わす。マスクをしているのもあるだろうが、見た目は年齢よりは若そうで清潔感もある。まだ社長も来てないし雑談でも、と思ってどこに住んでるか聞いてみたが、至って普通のやり取りである。
 ・・・・・・あれ?事前に聞いていた情報と照らし合わせてみると、随分と印象が違うな?なんつーか、「真面目で仕事出来そうな感じ」というのが第一印象である。どうりで面接時のあんなエピソードを前にしても男性陣からは「仕事が出来そう」という評価になるわけだ。まぁ、面接時のエピソードは所詮人からのまた聞きだし、実際その現場にいたら違った印象受けるだろうから、当てにならないかもなぁ?
 その後社長がやってきて、パートタイマーも出勤してきた時点で、全員が事務所に集まった。社長が後藤さんの簡単な紹介をして、その後「みんなにあいさつして」と後藤さんを促した。この見た目大人しそうな彼がどんなあいさつをするのかと思っていたら

「えーと、ただいまご紹介にあずかりました後藤といいます。えーと、前に勤めてた会社から『コロナで不景気だから辞めてくれ』と言われまして、どうしようかと思っていたところ、社長からお話をいただきました。これからよろしくお願いします」

 と、簡潔ではあるがしっかりとしたあいさつであった。ワイはこの時点で思った。「彼はもしや仕事出来る方の人間なのではないか」と。前の記事で色々書いてきたが、本当にコロナで前の会社が苦しくて、泣く泣く彼を手放したのではないかと
 その日の、後藤さんは女性陣の中でお昼を食べた。パートタイマー達はオバハン根性で後藤さんにあれやこれや聞いていたが、それに対して彼はにこやかに「ええ」とか「まあ」とかだけで答えているのが印象的だった。ワイは自分の昼ご飯を食べた後は事務所でお昼を食べている工場長の元へ行くので、そこでXと話した。

ワイ「後藤さんの仕事の調子はどうよ?」
X「まだ来たばっかりだから、分からんね」
ワイ「まあ、そうだよね。でも朝の挨拶見てる限り、仕事出来そうな感じしてしょうがないんだが」
X「それは俺も思う」
ワイ「このまま人手不足解消して、会社良くなっていくといいねぇ」
X「そうだねぇ」

 そんなことをXと話した。今まで社長が雇ってきた人物によって、弊社はその度にぐちゃぐちゃになり疲弊していった。そんな経緯があったため、後藤さんにかける期待は大きかった。パートのおばちゃんたちも、自分よりちょっとだけ若い男が入社したことでちょっとキャピキャピしていた(きめぇ)から、会社の雰囲気もちょっとは良くなりそうな気がしていた。後藤さんが入ってきたことにより希望が持てそうな会社になるような、そんな気もしたのである。

 ・・・だが、話はそんなにうまくは行かない。タイトルにある「新たな局面」。これはこれから良い展開になっていくという意味で付けたのではない。むしろ逆の展開が待っているゆえ、付けたタイトルである。さて、今後どうなって行くのか。今までも相当酷かったのに、これ以上どんな地獄が待っているというのだろうか(白目)・・・。

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