重荷 その2

仕事シーズン2・中

重荷 その1(前回の記事)

 さて、社長のお父さんがトラックにて大量に持ってきたもの、その中身はY社で出たありえない量の不良品の数々であった・・・。

 親族を会社に入れんな

 荷下ろしを手伝う工場長のX(この時点で弊社のリソース使われてる)。お父さんが言うには、あまりにも不良が大量すぎてY社では粉砕が間に合わないため「弊社に持って行って粉砕してきて」と社長に言われたとの事。ここで、粉砕というものを説明しておく。要は不良品やランナー(プラモデルに例えると、パーツを切り取った後の不要な部分)を再利用するために、細かく砕く作業の事だ。もちろん人力では無理なので、「粉砕機」というものを使用する。お父さんはこの粉砕機を使用するために弊社へやって来たのだった。
 粉砕機に大量の不良を入れながら何やらXに話しかけているお父さん。半日ほどかけてやっと作業が終わったらしく、粉砕された事によって容量が減った元不良品をトラックにまた載せてY社へと帰って行った。ワイの元にやって来るX。

X「いや~、あんな量粉砕するの大変だよ」
ワイ「社長のお父さん、なんか言ってなかった?」
X「それが、粉砕する不良を見ながら『これのどこが不良なのかが全く分からない』ってさ。俺も見てみたけど、どう見ても良品だと思うような製品を不良にしてる」
ワイ「ウチと一緒やんけwww」
X「いやぁ、あの量はちょっとひど過ぎる。お父さんが『ここにはシメジさんっていうきちんと判断出来る人がいるからいいけど、Y社はいないからみんな好き勝手に不良を出す』ってぼやいてたよ」

 社長のお父さんだけがワイをきちんと評価してくれて草ァwwwそれよりも気になったのが『Y社は判断出来る人間がいない』というセリフである。Y社がこうなってしまったのにはきちんと理由がある。前にも書いたとは思うが、今までは別々に行っていた弊社とY社の取引先への配送を1本化したのがまず1つ目の理由である。
 Y社には元々検査現場を取り仕切っていた水木さんという男性社員がいた。だが、経費を浮かせることしか考えていない社長は、弊社とY社の配送を1本化することにした。今まで配送に行っていた高齢の自分の父親を配送の仕事から引退させたいのと、この回で書いた元々弊社で配送をしていたバイトのジジイのTを追い出すのが理由である。
 じゃあその社長の父親とジジイTの代わりに誰が2社分の配送をまとめて行うのか。そこで選ばれたのが水木さんだったのである。検査の現場を取り仕切るスキルがある人間を配送に回す事がどれだけ愚かなことか社長に理解出来るわけもなく、水木さんはそのまま配送専門の人になってしまった。そのため現場が上手く回らなくなったのである。
 そしてもう1つの理由が『役立たずの社長の娘』の存在である。この回でも書いたが
社長の娘がY社の正社員として働いている。だがその実態は「製品の良し悪しの判断も出来ず、いつも自分の母親に助けを求めている」であった。これ、もしワイがこんなんだったら到底許されないわけで、なぜ彼女がそんな事を許されてるかと言えば社長の娘という理由しかない。正社員という立場にありながら、製品の良し悪しの判断が出来ない→水木さんは配送に配置転換されてしまったから、聞く事は出来ない→自分の母親に助けを求めるも、母親も事務仕事で畑違いだから判断出来ない→結局分からないから不良を大量に出す、というのが現在のY社の状態である。
 水木さんという判断できる人間を失ったY社の検査現場は、判断も出来ず誰も責任を取りたくない人間ばかりになってしまい、その結果「気に入らない製品は例え良品であろうと不良として出す」事を選択し続けているのである。ただ問題なのはこのY社、気に入らないものは大量に不良に出しているにも関わらず、しょっちゅう「不良品混入」「数量不足」「ラベル間違い」「違う製品を納入」等の問題を起こしていて、取引先の協力工場ランキングで常にワースト3に入っている。良品を不良品にする保険かけまくってるのに不良品混入とか、なんかのギャグ?
 弊社も中々酷いとは思ってはいたが(ただ弊社の場合は、取引先に問題が流出する前にワイが食い止めている事が多いため、取引先からの評判は良い)、それを凌駕する勢いでY社の方が色々とマズい状況であることはお分かりいただけただろう。この2社(弊社とY社)のレベルの違いも少なくとも今後の展開に関わってくる事になるので、ぜひ頭の片隅に入れておいてもらいたい。

 そうして社長のお父さんが大量の粉砕作業を弊社でやって行った翌日、社長が弊社にやって来たのだが・・・次回へつづく。

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