地獄へのいざない その1(前回の記事)
いきなりの「不良率8割」という、驚異の数字をたたき出した後藤。人生で初めての成形じゃないはずなのに、ナニコレ??
こんなもんじゃない
後藤が初めて扱う原料もあっただろうし、弊社では初めての成形だから次頑張ってもらうしかないと、無理やり良い方向へと考えようとするワイ。だが、どう考えてもモヤモヤが残る。これが20代の若者なら伸びしろもあると思えるが、後藤50代やぞ。しかも前職での仕事っぷりを考えるとなぁ・・・。
そんなワイの考えはやっぱり当たっていた。2回目、前回の失敗を糧に改善されていることを祈りつつ検査しようと後藤の作った製品を机に並べようとしたその時・・・なんか製品に違和感感じるわ・・・。そう、長年この仕事に従事していると検査をかける前に「違和感」に気付くことがあるのだが、まさにその感覚である。
違和感の正体は直ぐに分かった。「ショート」という分類の不良が大量に混じっていたのである。この「ショート」という不良、要は金型の隅々まで原料が行き渡らなくて、欠けたり溶けたような感じで仕上がってしまう不良の事である。不良の種類は他にも色々あるが、この「ショート」という不良はその中でも最悪。万が一納入品にでも混入しようものなら、取引先から鬼激詰めされるやつである。
この「ショート」、従来の製品とは質感が異なるため、これだけ大量に混入しているのであれば本来なら成形時や検査室に持ってくる前に気が付くのが普通である。これに気が付かずに成形し、それを検査室に持ってきている後藤は・・・普通じゃなくね?ワイは再び工場長のXを呼んで事情を話した。結果としては・・・良品に混ざるリスクを考えたら作り直しするしかないとのお答え・・・まぁ、そうなるわな。結局2回目もダメだった後藤・・・いやお前、弊社入社時のお仕事出来そうな雰囲気どこ行ったwww
その後も同じようなことが続いた。皆さんもお分かりかとは思うが、はっきり言って時間と金のムダである。ただでさえギリギリのスケジュールで成形してるのに、そこに後藤が混じることで捗るはずだった作業は遅れ、納期に間に合わない、といったこともしばしば。これは「徐々にぶち壊されてる感」が半端ねぇ。
Xもしびれを切らして、後藤に色々尋ねたりしていた。成形する際には「条件」というものが必要になってくる。この条件をその日の気温や湿度、また成形機によって「個体差」というものがあるため、微妙に調節しながら数字を成形機に打ち込むことで、良品を作っている。この「条件調節」がこの仕事のキモとも言えるのだが、どういう風に条件を変えてやったのかを後藤に聞いても、答えが返ってこないのだという。自分でやったことが答えられないとか、ふざけんなwwww
どうもXによれば、最初既定の条件を打ち込む→上手くいかないからといって、テキトーに数字をいじる→元の割と上手く行ってた時の条件が分からなくなるを繰り返してるっぽい、との事。ぶっちゃけ、この条件というものは成形をやってないワイでも理屈的には理解出来る。分かりやすく例えるならば、冬に外気温が低すぎるから、樹脂を溶かす温度を上げる、みたいな感じ。ところが後藤はこの理屈が全く理解できておらず、テキトーに数字をいじってやらかしているっぽい。いや、お前今まで何してきたの、マジで・・・。
こんなことを繰り返している後藤に、弊社の従業員全員がイライラし始めていた。コイツが失敗した分、それを取り返すのは他の人間なわけで。なのに後藤は自分で自分の尻拭いをすることもなく、定時でちゃっちゃと帰る始末・・・おいこらふざけんなっつーの!!!・・・・・・次回へつづく。

