ワイのラプソディ その1

仕事の脇道

重荷 ファイナル(前回の記事)

 さて今まで長々と書いてきた通り、ワイは仕事に対して無茶苦茶ストレスが溜まりまくっていた。頭が悪すぎる社長、自己保身しか考えない工場長、決して良いとは言えないパートとの人間関係に加えて早出残業の長時間労働のせいで心身共に辛い状況が続いていたのである。

きっかけ

 いきなりだが実はワイ、映画館で映画を見た事がほぼなく、今まで映画館で見た映画は小さい頃親と見たのも含めて「チャトラン 子猫物語」「千と千尋の神隠し」「海猫」「北の零年」という、年がバレる上に良く分からないラインナップで構成されている。なぜそんなにも見る回数が少ないのかというと、人混みが苦手なのと、「どうせすぐにテレビで入るやろ」という考えだったからである。
 そんな中、知人から映画を見に行かないかと誘われた。その映画とはイギリスのロックバンドクイーンを題材にした映画「ボヘミアンラプソディ」であった。実はワイ、基本音楽は洋楽しか聞かず、特に「レッドツェッペリン」は10代の頃から聞いている。だが、クイーンにはどうにも興味が持てずに今まで聞かないままだった。まぁ、クイーンはそんなに興味ないがたまには映画も良いか、という軽い気持ちで見に行くことにしたのである。
 当日になった。席に座るワイと知人。映画が始まり、そこで最初にかかった曲が「SOMEBODY TO LOVE」という曲だった。ワイはその曲は今まで1回も耳にした事がなかったのだが、何故かこの曲を聞いた途端にズルズルと鼻水をすすりながら大粒の涙をボロボロと流していたのである。恐らくこの映画を見た人の中で最速で泣いた自信はある。え?いきなり?といった感じで隣でドン引きする知人の存在をよそに、ワイは映画が流れている間中泣きまくっていたのであった。
 確かに曲が良かったのは言うまでもないが、おそらく自分で自覚していた以上に「疲れていた」というのが泣きまくった理由だと思う。会社で泣きたい事があったのを我慢してきたのもあるだろうし、映画の終わりで一種のカタルシスを得られたのも大きいと思った。その後、ワイは映画のサントラを購入し、更にクイーンのCDも購入し、もう1回1人で映画を見に行った。そう、ワイはすっかりクイーンのファンになっていたのである。
 出勤前の準備でクイーンを聞き、出勤中の車の中でもクイーンを聞いた。こうすることで辛い気持ちをマスキングし、だるい身体に無理やり気合を入れる事も出来たのである。特にクイーンの有名な曲「ボヘミアンラプソディ」は歌詞をすっかり覚えてしまい、オペラパートまで歌えるようになっていた。

 そんな日々をしばらく送っていたある日の事であった・・・次回へつづく。

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