事件、再び その5

仕事シーズン2・下

事件、再び その4(前回の記事)

 こうして、本日のスケジュールに記入してある仕事が終わったら後藤は工場長のXに仕事を聞きに行くようになったのだが・・・・・・。

再発

 しかしながら前回の記事でも書いたように、コロナの影響により仕事の受注数がじわじわと減ってきていた。二度手間を避けるため極力成形の仕事に後藤を関わらせたくないXは、雑用の仕事を後藤に指示するようになっていた。例えば、Xが忙しすぎてずっと手を付けられてなかった倉庫内の片づけや、不要な段ボールや原料袋の仕分けなどである。倉庫は工場とは別棟のため、我々が後藤の姿を目にすることは非常に少なくなった。
 そんなある日、朝のミーティングでXが後藤への嫌悪感を募らせていることにワイは気が付いた。

X「あいつ(後藤)・・・・・・やっぱダメだわ」
ワイ「ん?どうした?」
X「いや、最近はやってもらえる仕事ないから、倉庫の片づけずっと頼んでたんだけど」
ワイ「うん」
X「指示してからかなりの日数経ってるのに、全く片づいてる様子がない」

 ワイの懸念していたことが起こってて草。おそらく、倉庫が片づかない理由はいくつかある。1つめは、細かい指示ではなくざっくりした指示なため、マジで何してよいか分からなくて時間だけが過ぎている。2つめは、体力がないのでテキパキ動けない。そして3つ目は誰も見ていないからサボり気味になる、である。どれもASD的な特性は出てるような気がする。特に3つめなんて、仕事が進んでなければやってないのがバレるから普通は誰も見ていなくても一生懸命やるのが普通なのに、それをやってないのがやっぱり発達障害っぽいなと感じる。

ワイ「あー・・・後藤って多分ASDだから、指示するときに『片づけて』だけじゃダメだね。『段ボールを崩して束ねてくれ』とか、『袋は畳んで重ねてまとめてくれ』って一々細かい指示しないと、何すれば良いか分からなくて、結果として何もしなくなると思う」
X「そんなもん一々指示してられんわ。別棟にいるのに」

 まあ、気持ちは分かる。普通はそういう気持ちになるよな。だけどよ、最初にお前が社長に後藤の事を相談していればまた違う道が開けてたかもしれないんだぜ?それをせずに最悪な印象を社長に与えてしまったお前にも責任あるからな?

ワイ「かと言って、後藤を遊ばせとくわけにはいかんでしょ。もしやってもらえる仕事がないなら、もう1回現状を社長に説明するしかないと思うんだけど?」
X「社長に相談なんか絶対しない」

・・・・・・あ~あ、また何か怪しい兆候が見えてきたわよ。1回こうなってしまうと、大体嫌な方向に事が進んでいくのは今までの経験則上分かっている。だからこそ前回の悲劇を繰り返さないためにもなんとか今の状況を止めたいんだが?そんなワイの予感は当たり始めた。ある日、事務所に入ると後藤が例のごとく本を読んでいるではあ~~りませんか。

ワイ「あれ?後藤さん仕事は?」
後藤「・・・えっと・・・それが・・・今日のスケジュールに書いてある仕事が終わって、その後工場長に聞きに行ったんですけど・・・『仕事はない』って言われたので・・・」
ワイ「(ま~た始まった)」

 後藤はワイの言ったとおりにXに仕事を聞きに行っている。後藤が聞きに来たら仕事は与えると言ってたXの方は、実際にはその約束を破っている状態なわけだ。しかしながら、仕事は日によって波があるのも事実。もしかしたら今日だけかもしれないし、と思っていたのだが・・・・・・次回へつづく。

タイトルとURLをコピーしました