零細と長時間労働は切っても切り離せないと前回お伝えした。その原因は慢性的な人手不足によるものだ(というか、社長が人の募集を渋るせい)。キャパシティオーバーした状態で仕事を進めれば、従業員は疲弊するし仕事の精度も落ちるし、何1つ良い事なんかないはずなのだが、それでも「人件費が浮いてる」と喜ぶのが零細の社長なのである。
コンプライアンス?何それ??美味しいの????
零細の社長に圧倒的に欠けていると思われるのが、「コンプライアンス」に対する意識である。そこには時代の変化に付いていけずに、周りのせいばかりにして悪態をつく経営者の姿が見え隠れする。
「人を増やしたら人件費がかかるから募集しない。現在の人数で仕事を回して、何とかする(何ともなってない)。俺の時代はそんなの当り前」
これが零細の社長の考え方だ。このようなセリフを、実際に私は何回も耳にしてきた。詳しく解説していきたい。
1.人を増やしたら人件費がかかるから募集しない。
そんな当たり前のことを、自分が被害者であるかのように強調しないでいただきたい。人には金がかかる、当たり前だろが~。そんなに人に金かけたくないのなら、いつのまにか会社にも来ないで役員待遇になって報酬もらってるお前の使えない嫁と、顔すら知らないお前の母親(こっちも役員)にムチ打って働かせろ!
2.現在の人数で仕事を回して、何とかする(何ともなってない)。
現在の人数じゃどうにもならないから人雇えって言ってんだが?耳クソ詰まってんのか?それに、従業員の働きっぷりに差がありすぎて、ワイ1人だけが重荷を背負っている状態なんだが?自分の契約時間の間さえ働いていれば後はどうでもよいという考えのパートタイマーばっかり雇ったのはお前だろが!
3.俺の時代はそんなの当り前。
いや、知らんがな。昔の話持ち出して自分の法令違反を正当化するのって、人として恥ずかしくないか?
とまぁ、こんな感じで全くお話にならない。結局、人は確かに足りないけども、人件費にお金はかけたくない。人件費を捻出しようとして新しい仕事を取っても、単価が安すぎて新しい従業員を雇えるほどの純利が出ない。それは社長のせいだけとは言い難い部分も確かにあるが、あろうことにそれの解決法が見出せないからといって、単なる1従業員にその責任を転嫁するのは経営者として確実に間違っている。というか、零細になればなるほど経営判断というものをしなくなるので、経営判断しないならそれはもはや経営者ではなくて単なるジジイじゃね?と思う。
政府は働き方改革というものを打ち出してきた。だが、残念ながらこの恩恵に与れるのは大企業だけといえる。大企業が、自分たちが休むためにやるのは「下請けに今まで自分たちがやってた仕事を振る」事なのだ。ただでさえ働きづめの所に仕事を振られたら、休む暇なんてないぞ?政府はそんなことも分かんないらしい。小学生かよ(小学生に失礼)。
これは業界自体、いや、日本全体の構造を変えない限り永遠に解決しない問題だ。例えば、製造に限らずいろんな業界において、顧客が安さ・速さ・品質を同時に求めると、結局どこかに犠牲が生じることになる。言っておくが、安くて良いものは基本存在しないと思ってほしい。もしあるとすれば、それは誰かの犠牲の元、血のにじむような思いで作られたものであるかもしれないという事を考えてもらえたら幸いである。そして、このような現状が続けば、顧客側であった自分にも最終的に不利益が生じるという事を。

