一線を越えて その7

仕事シーズン2・下

一線を越えて その6(前回の記事)

 さて前回の記事で書いた通り、後藤に対して「罵声」を浴びせまくった挙句、悪びれる様子の無い工場長のX。X的には今回の事は大した出来事ではないという認識だったようだが、そうはいかなかったようである。

どうなることやら・・・

 そんなことがあった昨日の今日、果たして後藤はどんな気持ちで出勤してくるのか。別に後藤の仕事上でのポンコツを擁護する気は一切ないが、やっぱり人格否定するような罵倒の言葉を吐いちゃいけないと思うわけよ。それは最終的には「自分の身を守る」ことにもなるんだからさ・・・・・・そんなことを考えていた本日、後藤は弊社に出勤してこなかったのである・・・。
 会社の始業時間になっても出勤してこない後藤に、Xは多少動揺しているようにも見えた。だって今まで1回も休んだことないし、どう考えたって原因は1つしかないもんな?後藤は仕事上の連絡は社長と直接やりとりしてるので、仮に本日休みや遅刻だったとしても、恐らく弊社ではなく社長に直接連絡しているはずだ。つまり、今の時点で後藤が出勤してこない理由は我々には分からない、ということである(この場合大体は分見当が付くが)。
 Xは更に焦っているようにも見えた。でもその一方で「このまま会社辞めれば良いのに・・・」とも言っていた。もちろん、このまま後藤が弊社にいても、恐らくやってもらえる仕事は一切ないと思われる。だって、普通に考えて年齢50代まで生きてきてこのポンコツっぷりなのに、いきなりこの後ぐんぐん仕事が出来るようになるわけがない。むしろ年齢を考えたら逆に退化していくまである。つまり、伸びしろはゼロ(どころかマイナス)。だから後藤に会社を辞めてもらえたら、弊社の人間が全員後藤の尻拭いから解放されるのは間違いないのは事実である。
 だが、正しい手順を一切踏まずに己の感情だけを優先させ、相手を罵倒して追い出そうとする姿勢は間違っている。しかもXはこれが初犯ではないし、ワイも過去に同じ手を使われている。前社長がXを甘やかしてきた部分は否めない。だって、それをずっと「良し」としてきたわけだからな。もし後藤が仕事が出来ないなら、それを社長に報告するのが筋ってもの。それをせずに感情を爆発させ、相手を追い詰めるのはどう考えたってダメやろがい!!!
 そんなことを考えていた時、電話が鳴った。Xから離れて検査室へ戻って電話を取るワイ。相手はY社と表示されている。これは・・・何かあったのでは?と思いながら電話に出ると、相手は社長の嫁だった。時刻は8時ちょっと過ぎ。パートタイマーはまだ出勤していない時刻である。

ワイ「おはようございます。〇〇社です」
ヨッメ「あ、おはようございます・・・・・・」


なんか、いつもの電話での様子と違うような変な間があった。そして、社長の嫁はワイに変なことを聞いてきたのである。

ヨッメ「あの~、今そばに工場長っています?」
ワイ「いや、いませんけど・・・」
ヨッメ「なら良かった」

 工場長がそばにいなくて良かったとはいったい・・・・・・次回へつづく。

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