さて、「もしかしたら後藤はASDなのでは」疑惑をワイから聞いても、社長へ後藤のポンコツっぷりを一切報告する様子の無い工場長のX。更に日を追うごとに、Xに異変が・・・・・・。
それダメ、絶対
実は後藤とちょっと言い合いをしたあの日以降、後藤は朝ワイのところに「おはようございます」と言いにくるようになっており、もちろんワイも挨拶を返していた。ミスを繰り返す本人もそれで良いとは思っていないはずである。だが、出来ないもんは出来ないのも事実。そんな後藤を見つつ何とかしてあげられないかないかとは思うものの、仕事のポンコツっぷりは相変わらずでワイは頭を抱えていた。
あれからも、ワイはXに対して「社長へ報告した方が良い」としつこく言っていたのだが、Xは「何言ってもムダ」とばかりに報告する気ゼロな様子。しかしながらぶっちゃけ、後藤レベルのポンコツになるとどう考えたって現場だけで何とかしようもなく、「経営者の判断」が伴わないとダメなレベルであることは明確だ。
前にも書いたとは思うが、社長は社長のクセに今まで全く「経営判断」らしきことをしてきておらず、Xが「社長には何言ってもムダ」という考えも分からなくもない。だが、一切何もしてない矢先から「ムダ(本音はやりたくないだけ)」と決めつけるのはヤメロ。そもそも自分たちでどうにもならないレベルだから「報告しろ」って言ってんのによ?
こんなにかたくなにも報告を拒否しつづけるX。じゃあ、報告しないかわりに何か得策でもあるのかよ?と思ったが、一切なくて草。社長の嫁に電話で「後藤のサポートをして」と言われて以降、直後は若干丁寧な指導になったようであった。だが、あまりにも仕事が出来ないため結局は指導も放置気味になり、最終的に元に戻ってしまったのである。社長への報告もせず自分で何とか出来るような得策もない中、ミスばかり繰り返す後藤への怒りをXはふつふつと溜め込んでいたようであった。
そんなある日の早朝のミーティングで、Xがとんでもない事を言い出した。
X「後藤、主任(ワイ)のところに朝の挨拶に来てる?」
ワイ「来てるよ」
X「オレ、あいつに挨拶されても無視してる」
ワイ「え・・・・・・(ダメじゃね?)」
いきなりの衝撃発言にチベットスナギツネのような目になるワイ。さらに話は続く。
X「昨日、後藤にある製品の金型替えさせてみたんだけど」
ワイ「うん」
X「あいつ、その製品の金型がどこにあるか分からなくて、ずーーーーと何十分も探しててさ」
ワイ「うん(嫌な予感がするぜ・・・・・・)」
X「金型置き場の、どこにどの製品の型が置いてあるかあいつメモ取ってるはずなのに、それ見ても分からないみたいで、ずーーと探してて」
ワイ「ほう・・・」
X「そんでありえないくらい時間かかってやっと金型見つけたらしくて、それをクレーンで吊り上げてたんだけど」
話を聞いているうちに、更に嫌な予感がしたワイ。Xは更に話を続ける。
X「吊り方が悪くて、あんな重い金型をふらふら大きく揺らしながら移動させてて、成形機にぶつかりそうになってんの」
ワイ「・・・・・・(なんか、すんごく嫌な予感しかないぜ)」
X「そんで、あまりにもひどいから『お前、そんなことも出来ないの?』って言ったけど黙ったままでさ」
ワイ「・・・・・・(そりゃそうだろうよ)」
ここまでの話を聞いて、この後はどう考えても地獄の展開しかないような気がしたワイ。Xの過去の悪行を考えたら、何やってもおかしくはないようにも思えたワイであったが・・・・・・次回へつづく。

