いきり ファイナル

仕事シーズン2・下

いきり その2(前回の記事)

 さて、身体の不調を訴える工場長のXに対して医者に診てもらうことを提案したワイ。これで少しでも前進すれば良いと思っていたのだが、事はそう上手くはいかなかったのである。

 やるやる詐欺

 そのことを話し合った翌日、なぜかXがワイに近づいてきてこう言ってきた。

X「明日医者に行く予定だから、仕事の事はよろしく」
ワイ「了解」
X「朝、いきなり社長に電話かけて休ませてもらうから」
ワイ「それも了解」

昨日話し合ったことをなぜか再び確認するX。これで話は終わったかと思ったら、まだ何か言おうとしている様子。なんやねん早く言えやと思っていたら、Xが口を開いた。

X「明日、本当に医者行くから!いきなり休むからな!本当だからな!(原文ママ)」
ワイ「お、おう・・・・・・」

 え、それ何の宣言?その話は昨日のうちに散々話し合ったじゃん?なんで今さらそんな宣言する必要がある?話は終わってんだから粛々と行動に移せばよくね?とか、わけわからなすぎて色んな考えがワイの頭を巡っていた。そして「わざわざ宣言する」という行動に一抹の不安を覚えた。そして、この宣言の感じ、何かに似ているとも思った。う~ん、何だろう、何かに似ているこの感じ・・・・・・あ!ダチョウ倶楽部の「押すなよ押すなよ、絶対押すなよ!」のあの感じだwwww
 そうしてこの日は過ぎ、Xが休む当日の朝になった。ワイは出勤時間がべらぼうに早い(ずっと前からそうせざるを得ない状況になってしまっている)ので、「今日はX休みだな~」とか思いながら仕事の準備を始めていた。そこへ、誰かが弊社に入ってくる音が聞こえたのである。こんな朝早くに来るのは社長かXかドロボーくらいしかいないが、Xは本日お休みのため社長だろうと思った。きっとXから休む連絡が入って、そのことで弊社に来たのだろうと思ったワイはさっそく入口の方に向かったのである。
 そこに立っていたのはまさかのXであった。頭の中がはてなマークでいっぱいになるワイ。

ワイ「あれ?今日休むんじゃ?」
X「やっぱり休めるわけない」
ワイ「(こいつは・・・・・・)」

 ワイの予感は当たってしまった。そう、わざわざ「宣言」した時点で何か引っかかるものがあった。「宣言」というのは、難しい事をやり遂げるときの意思表示として行うもの。つまり、「体調を崩しているから会社を休む」というのは、Xにとってはハードルが高かったのである。
 ハードルが高いのは仕方ない部分はある。Xは今までほぼ会社を休んでこなかったからだ(前社長の時は有休というものを与えられておらず、有休?なにそれ?状態だった)。しかし、だ。Xは現状を何とか変えたいと思っている。しかし黙っていて行動にも移さないのであれば変わる可能性はゼロである。だからこそワイは「医者に診てもらう」案を出し、Xもそれを了承したのである。それなのに当日になって「やっぱりやめましたー」って何?自ら宣言まで出しときながら撤回するとかありえねえんだが?そういうとこやぞ?
 このXという男、人間観察が趣味のワイは分かっていた。何回も書くがこいつ、とんでもなく「小心者」なのである。いや、普段から誰にでもやさしくて人が良いなら「まあ仕方ないか」ってなるけど、こいつ今まで散々格下と認定した相手にいきり散らかしてきたわけで(ワイも過去に被害にあっている)、それを踏まえるともう激おこですわ。

 今回のことで、ワイの中に社長よりもXに対する怒りがふつふつと湧いてきていた。こいつが社長に一切意見せず、自分の事すらも言わずに自己保身に走るせいで、他の従業員が巻き込まれている・・・・・・と。

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