謎の工事 その1

仕事の脇道

熱中症の話 その2(前回の記事)

 弊社は、かかって来る電話のほとんどをワイが取っている。内容としては納期の問い合わせ、クレーム、営業の電話等々。だが、最も割合を占めているのが「工場長X宛の電話」である。

なぜ聞かない?

 Xはいつも電話の近くにいるとは限らない。倉庫や休憩室、外で雑用をやっている場合もあるため、ワイはX宛の電話がかかってくるとXを探す旅に出かける。とは言っても所詮は狭い敷地内の話。大体は2~3分、どんなに長くても5分以内にXを探し出して電話を渡していた。逆に直ぐそばにいる場合もあるわけで、この事に関して特に不便は感じていなかったのだが・・・。
 ある日、社長からワイ宛に電話がかかって来た。コイツとは極力話したくないのだが、指名があったものは仕方ない。話を聞いてみて驚いた。その内容が次になる。

シャチョ「あの~、今度〇〇日にそっちにNTTの工事入るから、よろしく」
ワイ「は??」


ちょっと何言ってんのコイツ。ワケが分からないワイは尋ねた。

ワイ「工事って何のですか???」
シャチョ「電話とインターネットの工事ね。ほら、いつもシメジさん電話の時工場長探し回ってるでしょ?不便そうだから、マイクで館内放送みたいな形で、工場長が倉庫とかにいても呼び出し出来るようにしてもらおうと思って。それと、インターネット今はケーブルテレビだけど、NTTにすると多少安くなるからそっちに変える事にした」
ワイ「え???つまりプロバイダ変更するって事ですか?」
シャチョ「そういうこと・・・になるのかな?」←多分良く分かってない
ワイ「そうしたら、メールアドレス変わってしまいますよね?変更のお知らせとか取引先にしなくちゃならなくなりますよね???」
シャチョ「そうだね、やっといて」

 そう言って電話は切れた。突っ込みどころがありすぎて、もはやどこから突っ込めば良いのか分からないレベルで突っ込みが渋滞している(ややこしい)。しかし、突っ込まなければ話は進まないので突っ込んでいく事にする。
 まずその工事をする決定を前に、なぜワイらに相談しない?実際に電話を使ってるのは我々であり、お前じゃない。今の電話の取次ぎの仕方は、別に不便だとも非効率だとも思わない。なのに、なぜ勝手に工事の話を進めるのか?
 そして次、マイクで館内放送ってこんなしょぼいクソ零細製造業でそれやるってバカ?そんなの許されてるのデパートくらいだろ。そもそも工場ゆえ機械からの騒音がデカい。そんな中で館内放送流した所で、Xが聞き取れるのかよって話。
 そして次!お前さー、こちらに相談もなしに勝手にプロバイダ変えるんじゃねぇよ。取引先へのメルアド変更のお知らせを「やっといて」って簡単に言ってるけど、相手はしっかりした取引先。FAX1枚に「メルアド〇〇に変わったんでよろしくお願いします」とだけ書いて送って済むわけもいかず、また切り替えのタイミングも計ってお知らせしなければならない事を、こいつは分かってない。まぁ、このクソ社長自体が社長のクセにパソコンを扱えないクズの見本みたいな人間なので、事の重大さがまるで分かってないような印象を受ける。要は物事を簡単に考えすぎているのである。
 そして次、その工事が入る〇〇日に「よろしく」って事は、お前当日に弊社に来る気ないよね?つまり、業者が来たらその対応をしなければいけないのはワイとXという事になる。タダでさえ忙しくてそんなもんに時間を割くリソースなど本来なら残っていないのに、それを気安く使おうとすんじゃないよ。そもそもお前が誰にも事前に相談もせずに勝手に決断して日取りまで決めたんだから、お前が当日に来て対応するのが筋ってもんではないのか??
 そして一番重要なのが次!!おめぇ、その金どっから出すの??いつもワイらに「赤字だー赤字だー」って言ってるじゃん?こういう工事って内部留保がたくさんあって余裕のある企業がやる工事だと思うけど?お前、今借金してる身だろ?会社の口座に振り込まれてる金はあくまでも銀行から借りたものであって、お前の金じゃないのよ?しかも返さなきゃいけないの分かってんの?ワイらは給料一切上がってないのに、必要のない工事をするためにだけは金を出すって、完全に金の使い方間違ってるよな?

 とまぁ、色々納得がいかない状態のまま工事の日を迎える事になったのである・・・次回へつづく。

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