地獄の2カ月 その12

仕事シーズン2・上

地獄の2カ月 その11(前回の記事)

 現場を見てもないくせに現場の意見は一切聞かずに現状維持のまま(つか仕事増える)強行突破という意見をごり押ししてきた社長。自分の意見が言えずにそれに追随する工場長X。今の時点ですでに無理だから話し合いに持ち込んだのに、これ以上どうしろと・・・?

 「言う時は言う」と言う奴が言ったためしはない

 さて、社長は人の意見も聞かずして弊社を後にした。残されたワイとX。

ワイ「アンタ、どうすんの?」←もはやムカつきすぎてアンタ呼ばわり
X「え?何が?」
ワイ「いや、金型1面でさえなかなか替えられないのに2面を交互に順調に決められた時間内で替えるの無理でしょうが」
X「出来ないのは仕方ない」
ワイ「出来ないんならなんで社長に出来ないって言わない?」
X「それは・・・」
ワイ「(ダメだこいつ)」


 こいつは分かっていない。本来ならば出来ない事を「出来る」という事により、他の人間(主にワイ)に負担がかかってくるという事を。「出来る」と言うのは簡単だ。難しいのは「出来る」と言った後の処理なのだよ、そこんところを全然理解もしないで自分が社長に意見する根性ないからって安易に引き受けるとか頭の中にカビでも生えてんのか?
 もしかしたら社長がこの案を出した時にXが「社長、今の金型1面すらも中々型替え出来てない状態なので、2面はもっと無理です」って言ってりゃあ、実際にやる人間が「出来ない」って言ってるんだからこの計画無理かもなぁ、と社長が思う可能性だってなくはない。今までの経験則上、やはり女で直接成形に関わってない人間の意見は弱いのだ。だからこそ、直接成形に関わってるXの意見が最も重要視されるというのに、そのXが実情とは違う事を言うもんだから全ての計画に無理が来るのだ(また別記事で書きたいと思うがこのX、「自分より弱いと認識した奴にだけ強気に出る」という典型的なクソ野郎なので、社長にはヘコヘコしてんのが余計に腹立つんだよなぁ)。
 さて、話し合い(じゃないな、一方的な通告と言った方が正しい)が終わり業務を再開したが結局町田に関しても今のままで何も対策を打たない事に決まったため、ワイは頭を抱えた。Xは相変わらず町田の指導を放棄&無視してるし「金型を順序良く替える」事も出来ないって言ってるんだから、このまま町田を遊ばせておくしかなくなってくるのが現状だ。しかしそうなればただでさえ薄利多売なのにそれで得たスズメの涙のような利益は「ほとんど仕事してない町田」に持って行かれることになり、パート達からクレームが付くだろう(まぁ、お前らが言う資格ないんだけど)。
 町田に機械をやってもらっても本来彼が同時進行でやらなければならないはずの後処理が出来ないため、結局ワイとXで残業して後処理をする、という事が続いた。夜に後処理を2人でしながら2人で愚痴をこぼし合うという不毛な日々。ある日の夜、愚痴をこぼしている最中にXが言った。

X「本当はこんなの無理だ。正直今のままでは体が持たない。工場長だからって何でもやらされるし」
ワイ「無理ならなぜその事社長に言わない?」

X「言っても無駄だから」
ワイ「言っても無駄って、そもそも言った事なくね?」
X「いやぁ・・・」
ワイ「一回社長に話したら?今の「工場長」という役は荷が重すぎるからそれを降りたいと。そんで仕事減らさないと体持たないって言ったらどうよ?」

X「言っても無駄だし」←デジャヴ?
ワイ「アンタがグズグズしてはっきりと言わないから「出来る」と思って更に仕事振ってくるんじゃないの?」

 この最後のセリフをワイが言った途端、Xの表情が少しこわばったのが分かった。ワイはXの地雷をワザと踏もうとしてたので、どうもそれにヒットしたようである(なぜこんなことをしてるのかと言うと「わざとXを煽って、その怒りのエネルギーを是非とも社長に向けてもらいたい」と思っていたからだ)。そしてこわばった顔でXが言った。

「俺だって言う時は言うから。この会社は俺がいないと回らない」

・・・はい、皆さん聞きましたか?「言う時は言う」というこの言葉はサブタイトルにもある通り絶対に言わない(言えない)人間が吐くセリフです。「行けたら行く(絶対来ない)」と同義語でもあります。あのね、言う時は言うって言うけど、言う奴はもうとっくに言ってるのよ(ややこしい)、意味分かるかなぁ。後ね、この会社は俺がいないと回らないって言うけど社長側はそれを逆手に取ってるの分かる?つまりは「こいつ(工場長)はこの会社じゃないと勤まらないだろう」と。大体ね、電話かけるの苦手でしょっちゅう逃げてる、自分の意見ははっきり言えないくせに気に入らない奴への嫌がらせは積極的、指導を途中で放棄、パソコン出来ない・・・こんな奴がそもそも工場長やってんのがおかしいんだっつうの。・・・おっと、長くなりそうなのでこれはまた別記事で。

 このワイの記事通り、Xが社長に今回の件で意見することはなかった。そのせいでワイとXへの負担は増えて行き、その月の残業時間は100時間に迫りつつあった・・・次回へつづく。

 

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