ワイの地獄 その23

仕事シーズン2・中

ワイの地獄 その22(前回の記事)

 さて、F社の視察と説明の日が終わった。こちらの想定よりも大人数で来ており、まだ弊社に1回も来たことがない方もいた。自分らと取引する会社がどんなものなのか見たいという理由もあるのだろうが、あなたたちが新しい仕事を渡そうとしている会社は視察日に社長がお宅らにあいさつもせずに逃げるようなクソ会社なんですが、それでええんか????

衝撃

 説明を直接F社から聞いたワイと工場長X。感想は「やっぱり思った通り(めんどくせぇ製品であるということ)」。資料見ただけで分かる事なのに、そこは完全に無視して仕事取ってきて、さらに視察日当日は逃げるというクズっぷり。お前の存在価値はゼロよ?この時点でもかなりおかしい事になっているのに、この後更に衝撃の事実がワイを直撃することにこの時はまだ気が付いていなかったのである。
 弊社には一応パソコンがあるが、取引先とのやり取りは基本的にはFAXで行っている。事務員がいるわけではないのとパソコンを扱える人間がワイしかいないため、1日1回パソコンを見るかどうかといった感じである。そして取引先は弊社に社長がほとんどいない事を知っているため、弊社に問題が起こったり連絡する場合にはY社にも同時にメールを送信している。そのため弊社宛のメールの内容はY社も把握している。この事を覚えておいてもらいたい。
 視察翌日の早朝、何故か社長が弊社に来た。本来お前が弊社に来なきゃいけないのは今日じゃなくて昨日なんだが?事務所に呼ばれるワイとX。そして椅子に座るワイら。

シャチョ「で、昨日はどうだった?」←偉そうに「どうだった?」じゃねぇんだよ
ワイ「ええ、今回の製品は大変です。色展開だけで5色。更に組み合わせによって品番が変わります。似たような色もあって混入したらマズいです」
シャチョ「・・・あ、そうなんだ(声小さくなる)」
ワイ「時間もすごくかかります。F社ではこの製品専用のチームがあったくらいだそうで」
シャチョ「(目をそらしながら)・・・ま、何とかなるでしょ」←声小さい

 おいテメェ、社長たるものが人から目をそらす時点で人として下の下なのよ。しかも何とかなるでしょって、本当は思った以上にヤバい製品だと分かったから自信が無くなって目をそらして更に声まで小さくなってるんじゃないのか???ちなみにここまでのXは完全に置物状態で役に立たねぇ。社長に対してはこの時点でかなり腹立たしいが、しかしこれで終わりではなかったのである。この直後、衝撃の事実が明かされた。

シャチョ「そんで昨日の夕方なんだけど、F社の部長からメールが来てて」
ワイ「メールですか?」
シャチョ「要は、ウチみたいな小規模の会社で今回の製品が納期通りに仕上がるのか、ってメールなんだけど、『出来る』って返事しといたから」
ワイ「・・・・・・は?」
シャチョ「まぁ、何とかなるでしょ、じゃあ後はよろしく」

 こちらが何か言う前に、そう言って社長はとっとと弊社を後にした・・・・・・というか『逃げた』と言う方が正しいか。ワイははらわたが煮えくり返っていた。L氏に頼んで勝手に仕事を取ってきて、視察の日は逃げる。どんな製品だったかをワイらに聞きもしない矢先から先方の『出来るのか』というメールに勝手に『出来る』と返答する。しかも社長自身はパソコンが出来ないので、メールを見る→返事するという動作は自分の嫁にやらせている。こんな小さい会社で自分で何一つ行動しないで全部人任せで儲けようなんて、考え甘すぎなんだよこのクソボケがぁ!!!!ちなみにXは「これは無理だわ・・・」とつぶやいていたが、なぜ社長が帰った後にそのセリフ言うんですかぁ?言うタイミング間違えてないですかねぇ???
 ワイはハッとして、慌ててパソコンの電源を入れた。実際にF社からどのような内容のメールが来たのかこの目で確認する必要があったからだ。メーラーを開いたワイは自分の心臓がドクドクするのをはっきり感じ取っていた。F社からのメールの内容はこうであった。

『今回のAとBの製品は、月間平均出荷数〇〇〇セットという大量の数です。1個の製品の成形時間が〇〇秒×稼働時間を考慮した場合、御社の小規模体制では計算上どう考えても間に合いません。その後の検査や出荷の手間を考えると、本当に納期に間に合うように出来るのかという疑問が残ります。似たような形状や色もあり、ミスなく納期に間に合わせるのは難しいのではないかと思われます。本当に大丈夫なのでしょうか?』

 この、きちんと根拠を添えたメール内容に対して、こちらの話を一切聞かずにこのバカ社長は『大丈夫です』と根拠なしに答えたわけだ。いかに弊社社長が能無しなのか丸分かりな返事だなクソが!!!なーーーーにが大丈夫だよ。計算上合わないっつってんだから物理的にすでに無理なわけで、大丈夫な理由が一切ないんだが???だがだがだが??????

 こうして社長が軽々しく『大丈夫』と返事してしまった事で、このクソ面倒くさい仕事を断るチャンスを逃してしまった弊社。これがきっかけで崩壊の足音が徐々に近づいてくることになるのであった・・・次回へつづく。

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