とばっちり その1

仕事シーズン2・中

バカばっか ファイナル(前回の記事)

 さて、弊社には現在取引先が3社ある。一番取引が多くて付き合いが長いK社、最近取引を始めたばかりのF社、そして前社長時代に弊社を受け継ぐとかいう話があったU社である。

偶然そうだっただけ

 ある日の午後、社長からワイ宛に電話がかかって来た。極力社長とは話したくないワイだったが、指名があったもんは仕方ない。社長はこんな話を始めた。

シャチョ「シメジさんて、パソコン出来るよね?」
ワイ「まぁ、一応」
シャチョ「実は、U社の納品書今まで手書きだったでしょ?それが仕様が変わってパソコンでやらないといけなくなるらしいんだけど」
ワイ「はぁ」
シャチョ「そんでその説明を聞くために明日、Y社のパートさんとシメジさんを俺の車に乗せて、U社に説明を聞きに行かなきゃならなくなって・・・。明日の午後イチで出発するから、予定空けておいて」
ワイ「・・・ハイ」

 ・・・らしい。ワイは話を聞きながら内心呆れていた。だって、ぶっちゃけ新しい女性のパートを雇う際の条件として、「ちょっとでも良いからパソコンが出来る人間」をワイは志望していたのだ。なのに、パソコンどころか現場の仕事すらマトモに出来ないババアばっか雇いやがって。工場長もパソコン出来ないし、ワイが仮に仕事休んでも誰も代わりやる人間いねぇじゃねぇかバカ野郎。今回だって、たまたまワイがパソコン出来る人間だったからスムーズに通った話。もし仮にワイがパソコン出来ない人間だったらどうするつもりだったんだよこのクソ社長が。
 そして翌日のお昼過ぎになった。ワイが昼食を済ませ会社の外に出て待っていると社長の車にY社のパート女性2人が乗ってきていた。・・・おい、こっちは1人なのになんでそっちは2人なんだよ(社長合わせりゃ3人)。だがそこはワイ。その2人とは初対面ではあったが、ワイはこの2人と直ぐに打ち解けた。車は某社のセダン(ハイグレード)。身の丈に合ってなくて草。Y社の2人は後ろの座席に乗り込んだので、ワイは仕方なしに助手席に乗り込んだ。
 何となく気まずいのを察したのか、社長が駐車場に止めてあるワイのスポーツカーを見ながらこう言った。

「シメジさんのあの車って、70くらい?」

・・・最初聞いたとき意味が分からな過ぎてちょっと沈黙したワイ。その後もしやと思い、こう聞き返した。

ワイ「・・・もしかして扁平率の事ですか?」
シャチョ「そうそう」
ワイ「いや45ですけど」

・・・おい、じゃあ逆に聞くが、おめぇが今運転してるこの車の扁平率どれくらいだと思ってんだ?昔の車じゃない上にスポーツカーなんだから、普通に考えて70という数字はありえない。ワイはこの時思った・・・もしかしてコイツ、物事の本質を理解せずに日々生きているのでは?と(要は知ったかぶり)。
 弊社からU社までは、片道1時間くらいかかる。つまりは往復2時間。高速が通っているので、それを使えば片道30分で着く。ワイは社長に尋ねた。

ワイ「高速乗るんですか?」
シャチョ「いや、下道で・・・」


 この社長の答えにワイは驚いた。だって、現時点で従業員3人が時間的に拘束されているわけだ。何も仕事が出来ない移動時間に3人分、計6時間分の無駄な時間が発生している。この3人分の何も出来ない6時間分の給料合計分よりも、高速料金を払っても移動時間を半分にした方がどう考えても経費が浮くのである。余裕ある会社ならまだしも、いつも人に「金がない」って愚痴ってる人間のやる事じゃなくね??・・・と思ったが、なぜこの社長が下道で行く選択をしたのかは、この後直ぐに分かることになる。
 社長の運転する車に乗っていて、ワイは気が付いてしまった。こいつ、運転クッソ下手くそやぞ。例えば、かなり前から赤信号が見えてるにも関わらず直前になってギュッとブレーキを踏む、速度が安定しない、車線に真っすぐ収まらずにフラフラしている、など。ワイが自動車学校の教官だったら、こんな奴落とすわ。ワイは社長に聞いてみた。

ワイ「普段ドライブとかされないんですか?」
シャチョ「運転はほとんど女房がしててねぇ」


 これでコイツが高速を利用しないワケが分かった。要は、運転技術も自信もないのだ。コイツの運転で高速に乗ろうもんなら、確実に死ぬ。あまりの下手くそっぷりに、思わず「運転代われや」と言いそうになった。あまりにもフラフラしたハンドリングなので、ワイは口からキラキラを出すのを我慢しながらの移動となった。はっきり言うが、自分の自動車の運転さえ上手く出来ない奴が『会社の経営』というハンドリングを上手くこなせるとは到底思えないが????

 そして、気持ち悪くなりながらも我々はU社に到着したのであった・・・次回へつづく。

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