さて、我が社の引継ぎ先がとうとう決まったという事は前回の記事でもお伝えしたが、ここで引継ぎが決まるまでの詳しい経緯を書いていきたい。
ゴミをやるって言ってもらう人間はいるのか
堅実なU社に会社の引継ぎを断られた社長は、その後も手当たり次第にいろんな人間に声をかけていた。だがなかなか引継ぎ先は見つからない(当たり前なんだが)。
そして社長の頭の中に「廃業」の文字がちらつき始め、ワイや工場長のXにも弱音を漏らし始めた(こっちの弱音は聞かないくせに、クソがっ)。
我が社の取引先は当時はU社の他にK社しかなく、特にK社との取引が長くて納品数も多かった。ウチの社長はそのK社の社長に「体調が悪くてもう続けられない」と話したらしく「K社の社長に、もし廃業したら工場長のX君と腹痛のシメジ君を雇ってくれるよう頼んでおいた」と言われたが、大きなお世話である。つか、勝手に頼むなよ。
これで廃業か・・・と思われたところに新たな展開がやって来た。K社の社長が、とある会社に白羽の矢を立てたのだ。それが我が社と同業者のY社であった。取引先は我が社もY社も一緒で、会社の所在地が隣町。K社が声をかけたのは必然的だったとも言えるくらい好条件だった。
K社の社長はY社へ赴き、後を継ぐように説得した。なぜなら我が社はかなりの数の製品をK社に納めており、我が社が廃業となってしまえばそれらの製品を作ってくれる協力会社を新たに探さなければならないからだ。何としてでもその状況を避けたかったK社は、わざわざY社まで行って話をしたのである。
当たり前ではあるが最初Y社は話を断ろうとしていた。しかし、上の立場であるK社とタッグを組んだウチの社長が揃って説得にかかり始めた。しかも何としてでも会社を廃業せずに手放したかった社長は「ウチは俺が入院してる間でもちゃんとやってくれるX工場長と腹痛のシメジ君という人がいる」と言って、事もあろうに「社長が手をかけなくても従業員だけで会社回していけるアピール」をして、それに乗ったY社の社長は結局我が社の後を引き継ぐことを決意したのだ。
何アピールしとんじゃボケ。こちらが何とか社長不在でも頑張ってこれたのは、あくまでも「この状況が一時的である」というのを心のどこかで支えとしていたからである。その一時の火事場の馬鹿力を、引継ぎ後もずっと続けていけるわけがねぇんですわ。Y社の社長もこの話で心が動いたという事は「自分があまり手をかけなくても会社が回る=半自動的に儲かるんじゃね?」と取らぬ狸の皮算用をしたからとしか考えられない。
このY社の事をワイは良く知らないのだが、K社が年に2回ほど出してくる「協力会社(ワイらの事)のランキング」みたいな資料で、常にワースト3の中に入っている会社だという事だけは認識していた。ちなみに我が社は優秀な部類であり、それを維持してこれたのは大げさでもなんでもなくワイと工場長Xのおかげである。社長のクソジジィは一切褒めてくれず、ご褒美(つまり、カネ)もくれなかったので誰か褒めてくれ。
このランキングはつまりそのまま協力会社の信用度に当てはまり、ワースト3にランクインしている協力会社はかなりの頻度でK社の品管からの査察を受けることになる。そんなY社が、割と優秀な(ワイのおかげ)我が社を引き継ぐという事は、一体どうなってしまうのか?日産とルノーみたいな関係になるのではないのか??
ちなみに引継ぎの話が決まると、社長はY社の事を「あの会社はどんぶり勘定だ」とか「会社の中は物であふれてて片付けもしない」とか悪口を言い出した。どんだけ根性腐ってんだよこのジジィ。こんな性格じゃあ従業員の事を思いやるのは絶対無理だわ・・・。
そして、引き受けてやったにも関わらず悪口言われるY社の社長とはどんな人物なのか。それはこれから徐々に明かされることになる。

