奴、再び その2

仕事シーズン2・中

奴、再び その1(前回の記事)

 前回の記事にも書いたが、上田は「配送の仕事をする事」を条件にY社に移った(ここ重要)。その内容は、Y社から内職への製品の配送、回収。弊社に原材料や製品を取りに来る(原材料の貸し借りをしたり、Y社の製品を弊社で作っているため)、そして取引先への配送の手伝い(取引先への配送は、Y社の社員水木さんが主にやっているため)等々。そして、配送の仕事の合間に時間が出来たら検査等をやってもらうというのが社長の計画だった。

想定の範囲内

 最初の内は、上田が1人で弊社に荷物を取りに来ていた(事前に指定された場所に荷物を置いておけば、勝手に回収していく)。ところがここ最近は社長の嫁から工場長のX当てに電話が入り、「上田さん今からそっちに取りに行きますけど、腰痛いらしいから手伝ってあげて」というような内容の電話が入るようになった。いやいやいや、ただでさえ忙しいのにXの時間奪ってんじゃねぇよ。どうしても1人で出来ないなら、Y社からもう1人手伝いに寄越せよ。少ない弊社のリソース当たり前に使ってんじゃねぇぞ。
 そうこうしているうちにいつの間にか上田は来なくなり、水木さんや社長の父親が荷物を取りに来るようになった。Xと顔を見合わせながら「上田どうしたんだろうね」と不思議がっていたある日、弊社に社長が来た。ワイがちょうど事務所にいたため、なぜかワイが話を聞く羽目になったのだが、その内容がなんと「上田の愚痴」であった。内容はこうである。
 配送係として上田を迎えたY社。当初は指示通りに内職への配送や弊社へ荷物を取りにきていたのだが、段々と「腰が痛い」だの「手が痛い」だの言って仕事の指示を拒否するようになったのだという。しかも内職に関しては「内職に製品を持って行ったら、文句を言われる(多分、不良に対しての意見だと思われる。内職が配送の人間に製品に対する意見を言うのは、割と普通の事である)」などと言って、まるで自分ではなく内職が悪いかのような物言いで配送を拒否し始めたのだとか。そして、配送の仕事をごちゃごちゃ言って一切やらなくなったため、仕方なしに検査の仕事をさせているとの事。
 これを聞いてワイは思った。ほれみたことか、と。そもそも上田は前職の配送が嫌でこの業界に来たのだ。しかも、出来るだけ楽をして金だけは一丁前に稼ぎたいと思っている人間。だからこそ弊社でトラブルを起こし、Y社に移ったのである。そもそも、この記事でワイが「採用を見送ってほしい」と言ったものを強硬に採用したのは社長本人だし、弊社でのトラブルを上田の意見だけ一方的に聞いて肩入れし、Y社への移籍を提案したのも社長本人である。ぜ~~~んぶテメェの判断の結果なのに、アンタに上田の文句言う資格なぞない事をお気づきでない?
 そもそも、こんなことになってしまったのは社長の落ち度としか言いようがない。Y社に移る際、「配送として入ってもらうのが条件なので、出来なければ残念ながらこれ以上は面倒を見られない」という条件を付けるべきだった。元々トラブルしか起こしていない人間、それくらいやってもまだ甘いくらいなのに上田の嘘っぱちの言い分だけを信じちゃったものだからこんなことになってんだよタコ助が。
 この際だからと、ワイはついでに上田のタイムカードの事を聞いてみた。

ワイ「上田さんのタイムカード、いつまでこっちで押せば良いんですか???」
シャチョ「えーーと、Y社の人数の関係があるんで、ずっとこっちで押しておいて」


・・・おい、「Y社の人数の関係」って何だよ、説明になってねぇだろうがボケ。この場合、「上田の籍を移すと税金が増える」か、もしくは「すぐ辞めるかもしれないのでわざわざ籍を移すのが面倒くさかった」かのどちらかと思われる。ワイは法律に詳しくないので本当のところはどうなのかは分からないが、仮に前者なら脱税だし、後者ならそんな事のために弊社に迷惑かけてる事になる。どっちにしてもダメでしょ。

 そんな上田、Y社において更なるウルトラCを繰り出していたのである・・・次回へつづく。

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